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高齢者の手術と家族のあり方

今から17年前の事です。
当時72歳の父は「健康診断に行ってくる」と言って自転車で出かけて行きその何日か後に病院から「家族と一緒に来るように」との連絡があったのです。
病院で説明を受けると大腸癌で人工肛門が必要との事。

驚きました。
急を要するとの事で入院から手術の段取りそして手術。

あっと言う間ではあったのですが、そんな中でも父の腸は普通の人よりもかなり長いらしく、この機会に少し多めに切っておきますか?と質問され、本人も承諾。
内心そんな事も出来るのかと驚いた事を覚えています。

人工肛門と言う事には多少の抵抗はあった様ですが即決でした。

父はとても「生きる」という事に前向きな人で、人工肛門と言う事には多少の抵抗はあった様ですが即決でした。
温泉好きでかなり世間体を気にするタイプだったので人工肛門という選択には正直、娘の私は驚いたものです。

手術は無事成功し、術後も順調でドクターが驚くほどの回復力、念のため抗癌治療も行いその後遺症としては爪が真っ黒になりましたが他に目立った症状は出なかったです。
(後遺症対策として漢方や滋養強壮に良いと思われる物は摂取)

ただ開腹手術の怖さ。そして父の不安と精神状態

腹水が溜まり朦朧としている父の姿になす術も無くただ家族はオロオロとするばかり。
別室に連れて行かれて処置されるのですが朦朧としているせいなのか?それとも生死を彷徨っているせいなのか?発する言葉に違和感を覚えるようになりました。
病室に戻ると必ず変な事を言い出すのです。独り言のように…。

母や私の知った顔があるときは安心しているのですが、別室での処置は不安この上ないものだったのでは?と感じています。
病院に頼み母が付き添いで泊まる事となり父の精神状態はかなり安定したのです。

退院後の自宅療養中は食事制限

退院後の自宅療養中は食事制限(消化の悪い物は制限されていました。お刺身等々)を守っていたにも関わらず腸閉塞の発症に怯える事となります。

高熱が出て一切の飲食は禁止、胃袋にチューブを入れて口から出すように処置するのですが父の胃袋が他の人と逆向きとの事でチューブが中々入らずいつも苦しそうでした。
そして腸閉塞の後はめっきり痩せてしまって体力を付けるのにまた時間が掛かるという始末です。

本人も腸閉塞になるのが分かるようで、お通じが無くなり加えて食欲が無くなり試しに少量の水等を飲んで見たりして様子を窺います。
ダメだなと判断すると、先ず断食をします。(当初は下剤等を飲んでいたりしましたが腸閉塞の兆候が出たら下剤は却って逆効果の様です。父の経験上)

当時は丸一日断食して様子を見て更に断食を続けるという具合です。
上手くお通じが出るとまた少量から加減しての食事に戻るのですが、本当によく噛んでいましたし今も良く噛んでいます。
断食してもお通じが無いときは高熱が出て、そして救急車で病院行きです。

お通じを待つか、それとも高熱か?無事退院してもそんな心配と背中合わせの生活です。

父は下剤も病院から渡されたもの、漢方薬などいくつか試しましたが今は兎に角良く噛む、定量を食べるという事を続けています。
ここ7〜8年でやっとコツを掴んだ様です。

「暴飲暴食はしない」此れに限るとの事、お酒も少々戴いています。

父はお陰さまで健在です。
退院当初は人工肛門という選択を後悔しているようにも見えましたがこの頃は処理の仕方もだいぶ慣れて朗らかに過ごしてくれています。

この頃ふと思う事があります。
大腸癌、人工肛門の手術は丁度父が長年煩っていた「痔」の手術を終えて一年経った位の頃で、快適な排便なのに何故?という疑問が生じたのだと思います。
痔病の再発と思って病院に行ったのかも知れません。

痔病の手術の時も一人病院に行き検査結果も独り聞き、そして手術の事も一人で決めて来たのです。

痔の検査の際に…、手術の際に…、大腸癌の事に何故気付かなかったのか?

「家族に心配はかけない」これが仇になることも。

頑固な父は自分の事は自分で「家族に心配はかけない」と言うタイプで、こういう時にその性格が仇になったと感じています。

当時の父は耳が遠くなり始めていて、検査の時の懸念事項等を聞き取れ無かったあるいは聞いても忘れてしまった。
今でも痔病の手術の説明の時に同席しなかった事を悔いています。

高齢者も健康診断は勿論ですが、その検査や結果確認など、ご家族があれば是非一緒に行く事をお勧めします。




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