母が乳がんに。「腹水」を取り除く手術。【体験ブログ】
実母ががんになってしまったことがあります。
当時まだ小学生だった私は母ががんだったことを理解できず、また母も自分ががんだとはわざわざ言うことはしませんでした。
それでも母がなんだか病気にかかっているらしいというのはなんとなく直感でわかっていました。
というのは、頻繁に母が私を連れて病院に通っていて(その間私は病院の待合室のようなところで読書をしながら母を待っていたのです)、また偶然母が風呂に入っているところを目撃してしまい、片方の乳だけふくらみがなかったことに気がついてしまったからです。
おそらく最初のがんは乳がんだったのでしょう。
今度は母が長期入院することに
しばらく年数がたってから、今度は母が長期入院することになりました。
この時は小学校高学年で、まだ呑気だった私は特に不安を感じることなく日々を過ごしていました。
お見舞いには父だけが行っていて、私や兄はメールで母とやりとりする、といった感じでした。
母方の祖母がわざわざ家に来てくれて家事を行ってくれていました。
父と祖母が繰り返し「フクスイを取り除く治療をするのには時間がかかる」と話し合っていたのを覚えています。
母が入院から一度家に戻ることになりました。
しかし母の姿は入院前とはかなり変わっていました。
お腹は妊婦さんのように腫れてしまっていて、しかし顔だけは痩せこけていて闘病中であることを明らかにしていました。
父や祖母が言っていた「フクスイ」というのは「腹水」で、お腹に水がたまっているからあんなにお腹が膨らんでいるのだと理解しました。
祖母の代わりに母の姉である叔母が来て家事をしたり母の介護をしたりと世話をしてくれていました。
母は口が正常に動かせないのかしゃべることもままならない様子で、母の前では笑顔だった叔母が母の見えないところで涙を流している場面に出会ったことがあります。
母が自宅で闘病生活をしてしばらくのこと、早朝に母は息を引き取りました。
結局腹水を取るという治療は、一度だけ行うことができたようですが、まだまだ治療が残っていたようです。
母の体内のがんはずいぶんと移転していて胃や腎臓もガン化していたのではと父は言っていました。
今ではだいぶがんの研究も進んでいるようですががん患者さんの苦しみが早くなくなることを願っています。