食道がんの初期症状は?気になるチェック項目は?
初期段階ではほとんど自覚症状がないケースが多い食道がん
食道は胃と喉(咽頭)の間をつないでいる長さ約25cm、太さ約2~3cm、厚さ約4㎜ほどの管状の臓器であり、「食道がん」はその食道に発生するがんです。
「食道がん」は食道の内面を覆っている粘膜から発生し、大きくなると粘膜下層に広がり、さらにその下の筋層に入り込んでいき、さらに大きくなってしまうと、食道の壁を貫いて食道の外まで広がっていってしまいます。
食道の周囲には重要な臓器である、心臓、大動脈、肺等が近接しているため、がんが大きくなってしまうとすぐにこれらの臓器にがんが広がっていってしまいます。
また、食道の壁の中と周囲には、血管やリンパ管が多く流れているため、がん細胞は血液やリンパ液の流れに入りこんで、別な臓器にたどり着いて増幅する、転移を起こしやすくなっています。
血液の流れに入り込んだがん細胞は、骨、肺、肝臓に転移し、リンパ液の流れにのったがん細胞は腹部や首のリンパ節にまで転移してしまうこともあります。
従って、がんが大きくなっていない初期段階での早期発見が重要となりますので、初期に自覚できる症状を理解することが必要となります。
飲み込む際に、食べ物がゆっくりと通過しているような感覚?
ただ、「食道がん」は初期段階ではほとんど自覚症状がないケースが多くなっています。
そのため、下記にあげるような症状も必ず現れるとは限らなくなっているので注意してください。
食べ物等を飲み込む際に、食べ物がゆっくりと通過しているような感覚を覚える「嚥下違和感」の症状が出る時があります。
この際には肋骨の後ろに圧迫感を覚え、妙に食べ物が食道に長く滞在しているように感じたり。食べ物が食道にくっついてしまっているような違和感を覚えます。
こうした違和感が現れている位置が「食道がん」が発生している場所であり、食事後はその部分を刺激されないため、こういった症状は消えてしまうのが特徴です。
チクチクした痛みがあったら要注意
また、食べ物等を飲み込むときに、引っ張られているような痛みや、針で刺されているような痛みがあったり、肋骨の後ろに灼熱感を覚えるといったような「食道違和感」の症状が出る時があります。
この症状は過度に熱い食べ物や粒の粗いもの、辛い食べ物等の刺激の強い食べ物が食道を通っている時に感じやすくなっています。
また、食事している時以外のほとんどの時間に断続的に嚥下痛を感じているのが、この症状の特徴です。
のどや食道が詰まる感じもNG
さらに、のどや食道が詰まる感じがして、窒息するような感覚となる「軽度の哽噎」の症状が出る時もあります。
この症状は気持ちの起伏に伴って発生したり悪化したりすることがあり、のどや食道に何かがつまっているような感じになるので、言葉も満足に出せなくなります。
「食道がん」の初期の段階では食べ物等を飲み込む際にこうした症状が出ることがありますが、自然に消えたり、再発したりして、はっきりと症状として現れないケースもあります。
その他の「食道がん」の初期症状としては、げっぷ、上背部の痛み、肩甲骨の後ろの膨張感、咽頭の不快感、咽頭の乾燥、吐き気がある、声がかすれた、首にしこりのようなものがある等があります。
重要!これらの症状が現れた時にはある程度がんが進行してしまっている可能性も
ただし、前述のとおり、「食道がん」は初期段階ではほとんど自覚症状がないので、これらの症状が現れた時にはある程度がんが進行してしまっている可能性も考えられます。
従って、これらの症状を発見した際には、速やかに専門の医療機関を受診されることをおすすめします。