小児がん

15歳以下の小児がかかってしまうがんの総称を「小児がん」といいます

「小児がん」の主な種類としては、「白血病」、「脳腫瘍」、「腎腫瘍」(ウィルムス腫瘍、腎芽腫)、「神経芽腫」、「悪性リンパ腫」等があり、大人がかかるのは稀なものが主となっています(血液のがんである悪性リンパ腫や白血病を除く)。

また、肺がんや胃がん等の大人では比較的メジャーながんについても、子どもではほとんどみられません。
この中で「神経芽腫」や「肺芽腫」、「腎芽腫」(ウィルムス腫瘍)等の「芽腫」と呼ばれるがんは、胎児の身体において、網膜や肝臓、腎臓、神経等になるはずであった細胞が、胎児の身体が完成した後にも残存していて、異常な細胞に変異し、増殖してがん化したと考えられているため、生活習慣にがんの発生原因がある大人のがんとは、性質の異なるものとなっています。

「小児がん」の発生率は1万人に1人程度であり、日本では年間に約2000人が発症しているとされています。

その「小児がん」の中で約40%を占めているのは「白血病」で、その大半が「急性リンパ性白血病」となっています。

「白血病」は血液内の成分の1つである白血球のもととなる細胞ががん化して起こる病気の総称で、「急性リンパ性白血病」は未成熟なリンパ球ががん化し、血液や骨髄の中で異常増殖してしまって、その影響により、正常な血液細胞が減少してしまうという病気です。

症状・特徴はどのようなものがあるの?

症状としては、発熱・貧血等の他に、鼻血がなかなか止まらなくなったり、風邪をひきやすくなる等の症状があらわれます。
「脳腫瘍」は、脳に発生する腫瘍であり、小児の場合、脳幹部や小脳に多く発生しています。

症状としては、視力が低下する、物が重なって見える、頭痛、嘔吐や吐き気が長く続く等の症状があり、その他には、箸や鉛筆が持てなくなる、転びやすくなる等の症状があらわれることもあります。

「ウィルムス腫瘍」は腎臓にできる腫瘍であり、10歳以上で発生することはなく、5歳までに発症することが多い病気です。症状としては腹部に腫れやしこりがあらわれますが、自覚症状はほとんどないため、そのしこり等を家族が気づいて、病気が発覚するケースが多くなっています。

また、嘔吐や下痢、便秘を繰り返すことによって、不機嫌で顔色が悪くなるという症状がみられることもあります。

「神経芽腫」は交感神経節や、腎臓の上にある副腎皮質等から発生するがんです。

日本では生後6ヶ月に尿のスクリーニングテストが行われていますが、この理由は、「神経芽腫」を1歳になるまでに発見できた場合は治癒率が非常に高くなるという特徴からです。
症状としては、四肢の痛み、腹部の腫れ、原因不明の発熱、食欲不振、何となく元気がない等があらわれますが、これらはがん以外の病気でもあらわれる症状であり、「神経芽腫」特有の症状というものはありません。

「悪性リンパ腫」はリンパ組織から発生した、悪性の腫瘍です。

最も頻度の高い初期症状は、頸部のリンパ節の腫れであり、たまに大腿の付け根のリンパ節が先に腫れるというケースもみられますが、どちらにしてもいたみを伴わないケースが一般的なので、家族や本人が、腫れに偶然触って発見するというケースが多くなっています。さらに病気が進行すると、体重減少や寝汗、発熱等の症状もあらわれます。

日本の「小児がん」の推定生存率はどんどん良くなってきています。

日本の「小児がん」の推定生存率は、1975年では約46%、1990年では約68.3%、2010年では約81.4%となっており、以前は「不治の病」とされてきた「小児がん」の治癒率が確実に向上してきていることがわかります
「小児がん」はがんの増殖が速く、発見も難しいのですが、化学療法や放射線療法がとてもよく効くという特徴もあります。

ただ、「小児がん」自体の症例が少なく、その種類も多種多様なため、なるべく症例の多い医療機関での診察・治療を受けることが重要となっています。




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