私は2種類の抗がん剤治療(化学療法)をしました。【体験ブログ】
私が経験した「乳がん手術後の化学療法」についてを書いてみます。
私は2種類の抗がん剤治療(化学療法)をしました。
1種類目はFECで、2種類目はDOCです。
これを3週間おきに、1種類を3回ずつ点滴で入れていきます。
「抗がん剤治療」というと、テレビドラマで患者さんが吐き気に襲われて洗面所で苦しそうに吐き気と闘っていたり、枕の上にごそっと抜けた髪の毛がくっついているイメージで「怖い、私は本当に6回も点滴治療ができて、無事に終えられるのかな?」と不安になりました。
でも、心の中では「絶対に生きるためには、頑張らなくっちゃダメ!」と自分に言い聞かせていました。
点滴治療を始める前に吐き気止めの薬を飲んで、点滴になりました。
吐き気止めの薬を飲むと身体がほてったような感じになりました。
FECの点滴は赤い色をしていて、アセロラジュースのように見えました。点滴自体はものすごく早いスピードで落ちている気がしました。
「この1滴、1滴が、がん細胞と闘ってくれるんだ。どうせなら、ものすごく効果を発揮して身体の中から、がん細胞を全部追い出して」と思いながら点滴が落ちるのを眺めていました。
家に帰って3時間後くらいに身体がだるくなって、動けなくなりました。
食欲もなくなって、夜は部屋の電気の明かりも眩しく感じました。
テレビの音が聞こえてくるのも辛く感じて、主人は薄暗い音のない部屋で夕食を食べていました。
翌日は朝早く目が覚めました。
「何か、さっぱりしたものが食べたい」と思い、布団から起き出してグレープフルーツを食べました。
グレープフルーツの酸味と冷たさが身体の中にとても心地よく元気が出てくるのを感じました。
化学療法の点滴後、水を飲むのが辛く感じて、何かを食べながらでないと水分が摂れなくなりました。
元気な時には「水は口を開ければ飲めるものだ」と思っていましたが、それは間違いだと思いました。
点滴をした当日から3日目くらいまでは本当に辛く、動けないのですが4日目くらいからは少しずつ動けるようになるのが分かりました。
「病院に入院をしていればナースコールがあって、看護師さんが来てくれるけど、家にはナースコールがない。食事も自分で作らなければ」と思うと「とても大変なことが始まってしまった」と心細く、泣きたい気持ちになりましたが4日目からは動けることが嬉しく、ありがたく感じました。
果物・和菓子・パン・お煎餅・スポーツドリンクなど食べられそうなものを、少しずつ食べました。
髪の毛は2回目のFECの点滴が始まる少し前から抜け初めました。
それまでは「くしで髪をとかしても抜けないな。手で軽く髪を引っ張っても抜けないな」と思っていたのに突然、大量の髪の毛が抜け始めました。
2回目の点滴以降は「点滴をした後にどんな症状が出て、どのくらいの期間で回復するのか」が分かったので、精神的には少し楽な感じがしました。
ただ、「せっかく元気になったのに、また点滴しなくちゃいけないんだ」というのが嫌でした。
2種類目のDOCの点滴は、1種類目のFECの点滴よりも副作用が軽く感じました。
髪の毛は全部綺麗に抜けて、頭がピカピカ光って見えました。
化学療法中の買い物や食事作りは本当に大変で、会社帰りの主人に「買って来てほしいもの」をメールで送っても、「会社が終わる時間だと、もう売っていないんだよ」という返事が返ってきたりして落ち込みました。
でも、食材のすべてを「緑・赤・黄・白・黒」の5つの色に分けて緑はキャベツとかレタスとか緑色の野菜。
赤は人参やマグロ、鮭、赤いパプリカとか赤い色の食材。
黄色は南瓜やとうもろこし、黄色いパプリカ、みかんなど。
白は大根や白菜、山芋、鶏肉などの白っぽい食材。
黒はきのこや黒ごま、ココア、海藻などの黒い色の食材。
だから、この5つの色が揃うように、買い物をしてきてくれたら献立は私が考えるから」と主人に話すと「分かった」と言ってくれ。それからは買い物もあまり悩むことなくできるようになってくれたようでした。
化学療法の期間中は家族、特に主人の協力と支えに心から感謝しました。