ピロリ菌除菌中にアルコール(お酒)・たばこ・コーヒーは摂取していいの?
ピロリ菌の除菌治療中には、タバコとコーヒーも控えるべき!?
ピロリ菌の除菌の成功率は、一次除菌において約70%といわれていますが、これに失敗すると二次除菌を行うことになります。
そして、二次除菌を行うと、ピロリ菌の除菌の成功率は約90%まで上がるとされています。
しかし、残りの約10%の除菌に失敗した人は、三次除菌を受けることととなりますが、この三次除菌は自由診療なので、除菌にかかった費用は全額自己負担となってしまいます。
そのため、二次除菌まででピロリ菌の除菌に成功することが望ましいので、その成功のために、除菌薬を忘れずに服用するということと共に、除菌薬の効果を最大限に発揮させることが大切となります。
したがって、ピロリ菌の除菌効果を薄れさせるようなものを摂取しないようにしなければなりません。
まず、ピロリ菌の除菌中にはアルコール類を控えるべきとされています。
アルコール類を控える理由として、まず、胃酸を抑える薬であるPPIの効果を下げてしまうという点が挙げられます。
ピロリ菌は、胃の中に常駐している病原菌です。
そのため、抗生物質をピロリ菌が付着している胃粘膜に作用させる必要があります。
しかし、胃粘膜から分泌される胃酸が多いと、抗生物質が分解されてしまいます。
すると、ピロリ菌に対する抗生物質の効果が弱まってしまうのです。
そのため、ピロリ菌の除菌時には抗生物質の効果を発揮させるように、胃酸を抑える薬であるPPIも同時に処方されるのです。
こうして胃酸を抑えてピロリ菌の除菌治療は行われるのですが、アルコール類にはこの胃酸の分泌を促してしまう働きがあります。
また、アルコール類によって除菌薬の副作用が強まってしまうという可能性もあります。
ピロリ菌の除菌治療に使われる抗生物質には消化器に悪影響を及ぼす副作用があり、具体的には下痢、軟便といった副作用が発生する可能性が高いことが報告されています。
このような副作用は抗生物質のほとんどにあるものであり、下痢や軟便になると除菌薬が作用する前に排泄されてしまいます。
そのため、除菌効果が得られないことになるのですが、アルコールが分解された時に作り出される「アセトアルデヒド」という毒素にも、吐き気、腹痛、嘔吐、下痢といった症状を発生させる作用があります。
そのため、相乗効果で副作用の症状が強まってしまい、最悪の場合、治療を中断せざるを得ない状態になる可能性もあります。
したがって、ピロリ菌の除菌治療中のアルコール類の摂取は控えるべきとされているのです。
その他、ピロリ菌の除菌治療中には、タバコとコーヒーも控えるべきとされています。
これらを控える理由としては、どちらも胃酸の分泌を促進させる作用があるからという点が挙げられます。
したがって、前述の通り、タバコ、コーヒーのどちらも除菌薬の効果を薄れさせてしまうのです。
実際、喫煙者よりも禁煙者のほうがピロリ菌の除菌治療の成功率が高くなることがわかっています。
そのため、医師によってはピロリ菌の除菌治療中に禁煙を指示されないということもあるようですが、原則としてピロリ菌除菌治療中のタバコは控えるようにしましょう。
また、コーヒーに関して、カフェイン抜きのコーヒーにおいても胃酸の分泌を促進させる作用があることがわかっています。
したがって、ピロリ菌の除菌治療中では、カフェイン入りかカフェイン抜きかに関係なく、コーヒーの摂取は控えるようにしましょう。