乳がんステージ4。延命治療のホルモン療法が効果絶大【体験ブログ】

肺、骨、リンパ、左目にも癌が転移して、あっという間に乳がんステージ4に
約9年前に乳がんが発症し、これまでに様々な代替療法、民間治療を受けてきましたが、乳がん発症から約5年経過した頃に、肺、骨、リンパ、左目にも癌が転移して、あっという間にステージ4になってしまいました。
悪夢から目を覚まし、その後ようやく標準治療をはじめましたが、皮肉なことに「癌が治る」と謳っていた業者の治療では一向に良くならず「もう治らない」と余命宣告を受けた大学病院で、延命治療として提案されたホルモン療法が効果絶大でした。
今回は乳がん患者なら必ず耳にする「ホルモン療法」の気になるあれこれを患者目線でお届けいたします。
現在は「肺良し、骨良し、しこりなし」
現在は「肺良し、骨良し、しこりなし」と毎日すこぶる調子が良いのですが、もしホルモン療法がなかったら自分はここに存在していなかったかもしれません。
初めてのホルモン治療はノルバデックス+ゾラデックスで治療効果も上々でしたが、2年ほど続けたあたりで耐性がついてきたので、半年ほど前から第二のホルモン治療としてエンドキサンで体を閉経させた後にフェマーラを飲み始めました。
予想通り治療の効果は覿面で、腫瘍マーカー値が初めて基準値以下に下がりました。
乳がんの治療薬は「アレがダメならコレで」と多くの種類が存在する上に、新たな治療薬も次々に開発されています。
すでにステージ4患者でもある私の延命治療の作戦は「アレコレ治療していたら長生きしていた」です。
ホルモン療法は女性ホルモンを餌とするタイプの乳がんに有効で、要約すると「女性ホルモンをコントロールすることで癌の動きも抑制する」とても画期的な治療法です。
女性ホルモンを作るのを阻止したり、癌が増殖する要素のエストロゲンがくっつくのを防いだりすることで癌の抑制効果がぐんと高まります。
ちなみに乳がん患者の約7割がルミナール型(女性ホルモンが餌のタイプ)なので、現在も多くの乳がん患者がホルモン療法の恩恵を授かっている計算になります。
個人差はありますが、気になる副作用の症状は更年期障害のあれこれ、骨や関節などのこわばり、精神的にはうつ病を発症しやすくなるなど、どれも簡単とは言い難いですが、FECなどハードな抗がん剤に比べると副作用はとても穏やかです。
それでもホルモン療法はルミナールタイプの患者にとって、ハードな抗がん剤にも引けを取らないぐらい高い治療効果があります。
自分自身もホルモン療法によって肺転移の影響の血痰や咳が消えたり、あちこちのしこりが目視ではわからないぐらい縮んだりと、身をもって治療効果を体験しています。
しかし乳がん患者全員がそうとも限らず、ホルモン療法が効かないタイプもそれなりに存在します。
乳がんひとつ取っても、タイプによって治療方針がそれぞれ変わってくるため、まずは自分がどのタイプなのかはっきりさせることが大切です。
ホルモン療法の治療期間は基本的に5年間ですが、患者の症状によっては10年間、もしくは死ぬまでずっと治療が続くこともあります(延命治療の場合)通院していれば不自由のない生活がおくれる、そう思えば病院に向かう足取りも軽くなるものです。
私がここ最近、痛む箇所といったら右指のバネ指ぐらいです。
時折どこかが「いててて」となる日があっても、毎日の暮らしぶりは普通の人とそう変わりなく、実際のところ自分で説明しなければ癌患者に見えないと思います。
乳がんならステージ4でもこんなに元気に過ごせるのです。
医学の研究も進んでいるので、昔と比べてみても癌治療に期待が持てます。
もし乳がんと宣告されても悲観せず、素晴らしい現代医学に身をゆだねましょう。
もしかしたら、もしかしちゃうかも…?
命を救ってくれた病院の皆さんに深く感謝をしつつ、これからも医療の発展を心から願っています。