睡眠 免疫力 睡眠不足

睡眠不足と風邪引きには医学的にも関連があるそうです。

これまでの様々な研究により、慢性的な睡眠不足や不眠、睡眠リズム障害の患者において、免疫力が低下するということが明らかとなっています。
例えば、精神的ストレスの影響とは別に、深い睡眠の減少や睡眠時間の短さと免疫機能の低下との間に関連性があるということが、うつ病や不眠症の患者などを対象にした研究で見出されています。

人間の免疫機能は、「細胞性免疫」と「液性免疫」の2種類に大きく分類されます。

睡眠に問題があった場合においては、この両方の免疫が様々な影響を受けるようになります。

細胞性免疫とは、貪食と呼ばれる、異物を感知して取り込んだりする機能や、体内に侵入した細菌を攻撃したりする機能を持つ免疫細胞による防御機構のことをいいます。

この細胞性免疫は、不眠症や睡眠不足によってその働きが低下するということが既にわかっています。
細胞性免疫の中で、真っ先に細菌が侵入した現場に駆けつけて対応する細胞はNK(ナチュラルキラー)細胞です。

しかし、慢性不眠症であったり、不眠が多いうつ病患者は、このNK細胞の貪食機能が低下してしまいます。

睡眠不足はこの液性免疫機能も低下させます。

次に、液性免疫とは補体や抗体などによる防御機構のことですが、睡眠不足はこの液性免疫機能も低下させます。
補体や抗体とは、免疫細胞が生成するタンパク質です。

この補体や抗体は、主にリンパ液や血液などに含まれていることから、液性免疫と呼ばれています。

抗体には、異物やウイルスに結合して感染力や毒性を失わせたり、細菌に結合して細胞性免疫を促進したりする作用があります。

補体には、その抗体の機能を増強するという作用があります。

この抗体が睡眠不足によって影響を受けるのですが、例えば、認知症やがん患者の介護者はインフルエンザワクチンを接種しても、ワクチン接種後に抗体がなかなかできないという研究報告もあります。
老々介護の現場においては、認知症の夫の介護をしている妻が先にインフルエンザでダウンしてしまうというケースも珍しくありません。

これは、介護のストレスも関連していますが、介護による睡眠不足やトイレ介助などで夜間に何度も起こされるということが大きく影響していると考えられています。

1週間の睡眠時間を1時間減らすだけでも心臓発作のリスクが高まる可能性がある

その他、睡眠不足による健康の悪化として、1週間の睡眠時間を1時間減らすだけでも心臓発作のリスクが高まる可能性があるとのことです。
これは、睡眠医学の専門医であるキャロル・アシュ氏が報告していることで、これによれば、サマータイムの切り替え時に一時的に睡眠パターンが乱れたとしても、心臓発作のリスクが高まることになります。

また、心臓発作を起こした男性の約63%弱に睡眠障害があったということも、ロシアの研究によって明らかとなっています。

この睡眠障害があった男性は心臓発作のリスクが2~2.6倍高かっただけではなく、脳卒中のリスクも1.5~4倍高かったそうです。
さらに、寝付きに問題を抱える人は交通死亡事故の34%に関与しており、不眠の症状がある人は事故のけがで死亡する確立が3倍近くも高かったという結果が、ノルウェーの研究で報告されています。

このように睡眠不足は、免疫力を低下させるだけではなく、様々な悪影響を身体に与えます。

質の良い睡眠を取るようにし、健康的な生活を送るようにしましょう。




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