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がん細胞には「分化度」というものがあります

人間の身体を構成する細胞は、もともとは1個の受精卵から始まり、細胞分裂を繰り返していって、それから様々な形態や機能を持つ細胞に変化していきますが、これを細胞の「分化」と呼んでいます。

そして、がん細胞には「分化度」というものがあり、この「分化度」が低ければ低いほど悪性度が高くなるのですが、これは、がん細胞がもともとの正常な細胞の特徴をどの程度残しているかを示すものとなっています。
「分化度」は細胞の分化の進行具合をあらわしており、例えば、ある器官の細胞に未成熟であればあるほど、「分化度」は低くなり、逆にその器官の細胞に成熟していればいるほど「分化度」は高くなります。

また、細胞がまだ何の器官にもなっておらず、まったく成熟していない状態であることを「未分化」といい、このように「分化度」が低い細胞ほど、細胞の完成形からから遠い状態であるため、細胞分裂が速く、その細胞の増殖が速いという特徴を持っています。

がん細胞にも前述の通り、この「分化度」は存在し、もともとの正常な細胞の機能や形態からかけ離れていればいるほど「分化度」は低くなり、もともとの正常な細胞の機能や形態に似ていればいるほど「分化度」は高くなります。
がんの「分化度」は、がん細胞の悪性度を示す1つの目安とされているため、これを見て医師は「がんの顔つきが悪い・良い」等の診断をしたりします。

この「分化度」によって、がんは「高分化がん」、「中分化がん」、「低分化がん」の大きく3つに分類されます。

「高分化がん」

「高分化がん」は、もともとの正常な細胞の機能や形態を多く残したまま細胞分裂しているため、がん細胞の増殖のスピードは比較的ゆっくりとなり、悪性度は低いがんとなります。
そのため、先ほどのがんの顔つきでいえば、「顔つきがおとなしい」と診断されたりします。

「高分化がん」はがん細胞が他の組織には浸食しておらず、がん細胞だけの切除が簡単であるケースが多くなっており、手術が可能であったり、がんが完治する可能性が高かったりする場合が多くなっています。

「低分化がん」

「低分化がん」は、細胞の成熟度が低い細胞が、がん細胞化したものであるため、「未分化がん」ほどではないものの、がん細胞の増殖、転移が速いため、予後が悪いがんとなっています。
「低分化がん」は、がん細胞がその他の健康な細胞の間に散らばってしまっている状態であり、がん細胞と健康な細胞の区別が難しいので、がん細胞だけを切除することができずに、手術を行わず、抗がん剤や放射線治療によって、がん自体を小さくする治療方法が選択されるケースが多くなっています。

「中分化がん」

「中分化がん」は「高分化がん」と「低分化がん」のちょうど中間ぐらいの成熟度の細胞が、がん細胞化したものです。

前述の通り、がん細胞の「分化度」が低ければ低いほど細胞分裂のスピードが速くなり、がんが浸潤・転移しやすくなりますが、特に「未分化がん」は、身体のどの細胞から発生したかを確認することができないほど、その細胞の情報に乏しいがん細胞となっているので、がん細胞の増殖が速く、その悪性度はもっとも高くなります。

このようながんの「分化度」は、その細胞の組織検査で調べることが可能であり、「高分化がん」であれば、もともとの正常な細胞と似た形態のがん細胞が、整然と並んでいる様子を確認することができます。

ただ、「分化度」が低いがん細胞であればあるほど、その細胞の形態がいびつなものになったりするため、その異形度の高さを確認することができます。

これらの病理検査・病理診断によって確認された「分化度」によって、がんの悪性度の評価がされ、その後の抗がん剤に対する治療効果の予測等が行われ、治療方針の検討が行われます。
自身がもしがんにかかった場合は、その「分化度」を正確に知るようにし、その「分化度」に応じた正しい治療が実施されていることを、自分でも理解することが大切です。

また「分化度」が低いがんの場合は、悪性度が高く、進行が速いため、その治療方針の決定も速く行わなければならなくなります。




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