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ステージ4の膵臓癌で抗がん治療中の母。【体験ブログ】
私の母は、膵臓癌のステージ4を患っています。
手術で病巣は取り除きましたが、すでに肺へ転移しているため更なる手術は行えず、現在は抗がん治療を行っています。
今まで大きな病気にかかったことのない健康そのものだった母がまさか癌に、しかもあらゆる癌の中で最も生存率が低いとされている膵臓癌のステージ4(5年生存率1.4%)だなんて…私は未だにその事実を受け入れられずにいます。
私は母が診断を受けてから今まで留学でアメリカにいるため、直に母に付き添うことは出来ないのですが、スカイプで母と話したり、一番近くで付き添い看病してくれている姉の証言を基にしてこの話をまとめました。
始まりは2016年5月。母は毎年1回行っている人間ドックで、糖尿病であると診断されました。
毎日のようにきちんと栄養バランスの取れた食事を作っていた母がなぜ…と不思議に思いましたが、問題は間食にありました。
ご飯を食べた後、またパートから帰ったあとに寝そべってラジオを聴きながらお菓子を食べるのが母の日課で、それが糖尿病の引き金になったのではないか、と私は推測しています。
1、2週間ほど入院して、薬をもらってしばらく通院して治していく、それだけの筈でした。
しかし更なる検査の結果、膵臓癌、具体的には膵尾部(すいびぶ)癌のステージ2であることが判明したのです。
膵臓癌は腹部の奥底にあることや初期に自覚症状がほぼ無いことから、見つかった時にはすでにステージ4であることがほとんどだといいます。
「ステージ2ならまだそこまで深刻では無いのかもしれない」と私たち家族はかすかな希望にすがり、そして6月、癌を取り除く手術を行いました。
手術は無事成功し、目に見える病巣はすべて取り除かれました。
体の回復と術後の検査のため2週間ほど入院して、母は退院しました。
しかし7月、術後の検査結果で母の膵臓癌は実は「ステージ4」であることが判明しました。
膵臓の上皮細胞にできていた癌が、内部にあるホルモンなどを分泌する実質細胞にまで広がっており、一部リンパ節にも転移していたのです。
膵臓の周りには太い血管やリンパ節がめぐらされている為、血液やリンパ液に乗って癌が他の臓器に転移しやすく、再発率は90%にまで上ると言われています。
この術後検査の報告の後、再発を防ぐために「術後補助化学療法」を行うことが決定されました。
「ステージ4」だという知らせを姉から聞いた時、私は言葉を失いました。
現実が受け止められませんでした。母はショックで途方に暮れ、何日もほとんど喋らなかったそうです。
そして、母は20年ほど勤めていた大好きだったパート先を辞めてしまいました。
体力的に難しかったのと、それに姉がもうこれ以上母に働いて欲しくなかったからです。
それからはとにかく、この抗がん剤治療に専念することにしたのです。
抗がん剤治療、正式に言うと「術後補助化学療法」では、「TS-1」という抗がん剤を使用しました。
朝夕食後の1日2回、28日間連続で内服し、その後14日間休薬する、というコースを続けることになったのです。
とても強い薬なので、疲労感や下痢、嘔吐などの副作用が出ましたが、それにも耐えて母は頑張りました。
しかし今年6月、癌が肺に転移していることが判明しました。
それからは更に強い抗がん剤(すみません、名前は覚えていません)を投与しています。
副作用はさらにひどくなり、母の髪の毛は完全に抜け落ちてしまいました。
今はウィッグを着けて生活しています。
さらに問題なのがその抗がん剤の金額。
がん保険に入っているにも関わらず、一度の投与で自己負担で4万、それが月に4回で、月に合計で16万円です。
今は姉がその費用の一部を負担しています。
肺への転移が見つかってから約3ヶ月が経ちました。
薬による副作用は前に比べて落ち着いており、普段の生活はそこまで問題無いといいます。
しかし、母の膵臓癌との闘いは、これから先も続きます
。私は、インターネットで同じ膵臓癌と闘う患者さんのブログをいくつも見ました。
ステージ4と診断されても、その後20年もちゃんと生きて生活している患者さんもいます。
私は、母に諦めて欲しくはありません。
母に対してまだ何も親孝行なことをしてやれていないからです。
だから私も諦めません。
これからも希望を捨てずに、明るく強く、母をサポートしていくつもりです。