
ストレスがガンの原因になるという直接的な証拠は無い・・しかし。
ストレスはガンの重要な原因の一つとされていますが、ストレスがガンの原因になるという直接的な証拠は無いようです。
ただ、過度なストレスによって免疫力が低下するのは事実なようですので、それによってガンの発症リスクが高くなるということはあると考えられます。
このようなストレスによるガンの発症リスクは、一説によると、タバコを1日に2箱分喫煙したのと同等であるともいわれています。
ガン細胞は、細胞分裂のミスで生まれ、それが暴走して、無限に増殖してしまいます。
これは、遺伝子であるDNAの複製ミスが原因であり、この複製ミスが積み重なることによって死なない細胞が生成されます。
このようなガン細胞は、1日に約5000個も生成されるそうです。ただ、免疫細胞が正常に働いていれば。
これらのガン細胞のほとんどを死滅させることが可能です。
しかし、ガンはこのような免疫細胞の網の目をかいくぐった、たった一つのガン細胞が10年以上も時間をかけて細胞分裂を継続してきた結果によって発症する病気です。
そのため、前述の細胞分裂等のミスがどのくらい発生するかが、ガンの発症に大きく関わってきます。
このミスの発生確率を左右するのが、精神的なストレスによる免疫力の低下です。
現代人は、仕事や家庭、育児、将来の不安など、様々なところから精神的ストレスを受けています。
この精神的ストレスの悪影響によって免疫力の低下を招き、これによってガン細胞を破壊するための力が弱まり、それと同時にガン細胞の活動を抑制する力も弱まってしまいます。
また、免疫力の低下によって、様々な細菌やウイルスへの抵抗力も弱まりますので、それについても注意が必要です。
また、喫煙、飲み過ぎ、夜更かし、睡眠不足、過労などによる肉体的ストレスによる影響も、ガンの発症と深く関係しています。
この肉体的ストレスは活性酸素の増加につながり、これがガンの発症と関係している理由となります。
この活性酸素は生活していれば増え続けるものなのですが、過度に増加した場合、臓器の劣化を招き、遺伝子を傷つけるため、この傷ついた遺伝子から発ガン物質が発生することもあるのです。
また、細胞は毎日5000~6000個ほど生成されているとのことなので、活性酸素によって傷ついてしまった細胞が、ガン細胞として生まれ変わってしまうという可能性も考えられます。
実際の症例として、ある肝臓がんの患者さんの例があります。
この患者さんは手術後、約5年ほどは再発もなく順調に過ごしていました。
しかし、その後、自分の親が亡くなって遺産相続のトラブルに巻き込まれてしまったところ、わずか2ヶ月の間に肝臓全体にガンが広がってしまったそうです。
そして、その後まもなく亡くなられてしまいました。
ただ、その一方で、ガンの再発が必至といわれていた病状であっても、10~15年も再発せずに元気で過ごしているという患者さんも存在します。
そのような患者さん達は、性格的に明るく、考え方が前向きで、生きがいを持っているという点が共通しているとのことです。
つまり、このような患者さん達は、ストレス解消が上手く、ストレスを溜めるようなことがないのだと考えられます。
現代の社会では、ストレスを完全に無くすことは不可能に近いのではと思われます。
しかし、日々の生活や心がけ次第で、ストレスをため込まないようにするのは可能だと思います。
常日頃からストレスと上手に付き合うようにし、うまく対処しながら生活することが、ガンの予防につながるのではないでしょうか。