
ガン発症の重要な一因としてみなされている酸化ストレス(活性酸素)
酸化ストレス(活性酸素)とは、私たちが取り入れた酸素のうち、約2%が変化したもので、ガン発症の重要な一因としてみなされています。
活性酸素とは、普通の酸素がより活性化された物質です。
いつもは安定している酸素分子の構造が少し変化し、電子のもたらす電気的なエネルギーが不安定な状態になった酸素が、活性酸素なのです。
このような不安定な構造の分子は、自分が安定するために周囲の物質から手当たり次第に電子を奪おうとしますが、その際に、相手に水素原子をも奪うか、自分の酸素原子を押し付けるかします。
このような作用によって、活性酸素は相手を酸化させてしまいます。
この作用によって酸化させられた物質は変性してしまい、元の正しい機能を果たせなくなるため、体内での働きに様々な障害が出て、その結果、老化現象として現れてくるのです。
活性酸素はこの酸化の作用が凄く強いため、細胞が傷ついてガンの引き金となってしまいます。
また、動脈硬化が進んでしまい、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まってしまうことも考えられます。
こうした活性酸素の害から身を守るため、私たちの体には「抗酸化酸素」を産生する機能が備わっています。
しかし、この機能も加齢によって衰えてしまうことがわかっています。中年期以降において、ガンや生活習慣病といった病気が多く発症するのも、この抗酸化酸素が加齢によって減少したことが影響していると考えられています。
私たちは酸素を取り込み、細胞内の「ミトコンドリア」と呼ばれる部分でエネルギーを生成します。
しかし、その作業の際に、必ず数%は不完全な形で復元されます。
これが活性酸素であり、電気的に不安定であることから、寿命も短く、人体に備わった抗酸化機能によってすぐに消滅させられます。
ところが、前述のように加齢によって抗酸化能力が衰えたり、活性酸素が過剰に発生したりすると、これらの回復機能が上手く働かなくなります。
この状態を、「酸化ストレス」が強い状態といい、前述のように様々な病気やガンの発症という形で体に異変を起こさせるようになるのです。
また、白血球は、体内に侵入した異物や病原菌を攻撃する際に活性酸素を生成します。
そして、この酸化力を利用して異物を死滅させるため、紫外線や放射線を浴びたり、有害な化学物質などを摂取した際にも活性酸素が体内にたくさん生成されてしまいます。
そして、このことがガン発症の要因となるのです。
活性酸素は、周囲の体細胞を構成する様々な物質から電子を奪い、酸化させることから、細胞は次第に分子レベルで編成するようになります。
そして、最後には遺伝子の書かれたDNAまでも傷つけられるようになり、そうなると、細胞は突然変異を起こします。
すると、今までとは全く異なる細胞が生まれ、どんどんと増殖し、これが目に見えるほどの大きさまで増殖したものが腫瘍となるのです。
このように、活性酸素は老化を招き、ガン発症の要因となります。
いつまでも健康で若々しい体を保ち、ガンを予防するためにも抗酸化作用のある食べ物を摂取するなどして、「酸化対策」をすることが重要となります。
特に中年期を迎えた方は抗酸化能力が衰えてきますので、積極的に「酸化対策」をするようにしましょう。