AHCC

補完代替医療の一手段としても取り入れられているAHCC

「AHCC」とは、キノコから得られる成分であり、正式名称をActive Hexose Correlated Compound(活性化された多糖類関連化合物)といい、その頭文字をとって、AHCCと呼ばれています。
「AHCC」は植物性多糖体の混合物であり、シイタケ属に属する担子菌の菌糸体培養液から抽出されたものです。

「AHCC」は、医薬品ではなく健康食品として、開発国である日本だけではなく、オセアニア、アジア、ヨーロッパ、アメリカ等の世界各地の広い範囲で販売されており、補完代替医療の一手段としても取り入れられています。

「AHCC」が外科的切除後の原発性肝がん患者の生存率を延長させるとの論文発表

「AHCC」は、1989年に東京大学薬学部の岡本敏彦教授と、株式会社アミノアップ化学(日本、札幌)との共同開発によって開発されました。

その後、基礎、臨床試験が進んでいき、1994年に北海道大学医学部(癌研病理)の細川真澄男教授(当時)らによって「AHCC研究会」が発足、2002年には、「AHCC」が外科的切除後の原発性肝がん患者の生存率を延長させるとの論文発表が、関西医科大学第一外科のグループよりありました。

植物性多糖体である「AHCC」の主要な成分は多糖類です。

同様にキノコから得られる成分に「β‐グルカン」という多糖類があるのですが、「AHCC」に含まれている多糖類は「β‐グルカン」ではなく、「α‐グルカン」となっています。
「β‐グルカン」と「α‐グルカン」の違いについては、「β‐グルカン」は人間の体内で消化されないのですが、「α‐グルカン」はその分子の大きさが小さいために、腸内での消化吸収が可能であるという違いがあります。

「AHCC」は、動物実験においてがんの転移を抑制し、薬剤による肝障害を改善することが報告されています。

また、臨床においても、樹状細胞(DC)の総数を上昇させ、NK細胞の活性化を促進させることから、がん患者の治療における生物学的応答調節物質(BRM)としての効果が期待されています。

実際に、関西医科大学第一外科の上山泰男教授らは、これらの背景をもとに、肝切除術を施行し、肝細胞がんと診断された患者222例中、おおよそ半数の113例に対して「AHCC」を摂取し、その予後を比較研究しています。

その結果、手術後の「AHCC」摂取により、生存率の改善、肝炎の改善、再発予防等のいくつかのパラメータにおいて、統計学的に有意な効果を示すことを報告しており、その他、膵がん、乳がんに対しても「AHCC」の効果が報告されています。

がん化学療法の補助療法として、その治療成績を向上させる作用が期待されています。

また、「AHCC」は抗がん剤との相乗効果を目的として使用されることもあり、がん化学療法の補助療法として、その治療成績を向上させる作用が期待されています。
自然免疫と獲得免疫の両方に「AHCC」が関与しているとの研究報告をエール大学のZhina Yinらが出しており、細胞性免疫だけでなく、自然免疫を増強することによって、抗がん剤の活性を補完していると考えられています。

さらに、「AHCC」は、現在、臨床で使用されている、多くのがん化学療法剤による副作用を軽減する目的でも使用されることが多くなっています。

臨床試験において、関西医科大学第一外科の柳本泰明らが、膵胆道がん患者の化学療法における「AHCC」服用の副作用軽減効果を検討し、CRP値や貧血に有意な改善がみられ、化学療法に伴う味覚異常が有意に軽減されたという研究報告を出しています
。このような報告より、「AHCC」は、がん化学療法における副作用軽減に有用であると考えられます。

「AHCC」の摂取について、重篤な副作用が発生したという報告はありませんが、時々、皮膚の湿疹や痒みがみられたという報告があるようです。
また、がん治療を受けている場合は、他の薬等への影響が出る可能性も考えられますので、担当医に「AHCC」を摂取しているということを必ず知らせるようにしましょう。




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