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80歳の母が胆のう癌発症。症状と摘出手術。【体験ブログ】
80才を目の前にした母が胆のうガンの疑いと手術という現実を聞かされ
2人に1人がガンになる現代、どこかで自分、もしくは家族がガンであると告知されるのを覚悟していたつもりでした。
つい一か月前に、母が胆のうがんの全摘出手術をしました。
その一か月前、母は膀胱炎になり近所の泌尿科へ検査に行きました。
健康診断の書類が母の胆のうがんの発見につながるとは・・・・
膀胱炎は何度も経験していたので特に驚かなかったそうですが、そのときなぜか母は健康診断の結果の書類を持っていったそうです。
いつもそうなのですが、特に必要のないものまで心配して持っていくところがあるので、今回もそんな、何の気なしに行った行動でした。
しかし、その健康診断の書類が母の胆のうがんの発見につながるとは、このときはだれも想像することすらできませんでした。
泌尿科の医師が健康診断の結果を見て、数値に気になるところがあるので、すぐに大きな病院に検査に行くように母に伝えました。
母は自宅にほど近い病院の内科に行くと、レントゲンとCTの検査をされ、胆のうにポリープがあると告知されました。
膀胱炎から胆のうポリープ、さらに摘出手術をすすめられた母は、この段階で私に連絡をしてきました。
今まで特に大きな病気もしないで、80才を目の前にした母が胆のうガンの疑いと手術という現実を聞かされ、動揺を隠せませんでした。
地方に離れて暮らしているだけに、すぐに駆け付けることもできずにその日から何となく寝付けない日が続いていました。
家族がガンであるといわれることは、私が想像していたようなものではなく、重く鈍い痛みが体や心にのしかかるようでした。
実際には胆のうポリープの摘出手術は、珍しく危険を伴うようなことはめったにないといわれていることを知りましたが、出産の時以来、入院もしたことがない母が高齢で手術をすることは、それを知っても安心するまでには気持ちの整理はできませんでした。
さらに、内臓が左右逆であるために、一般的には腹腔内手術でおこなわれることが多いはずが、念のために開腹手術の選択をせざるを得ないこともさらなる不安の材料になってしまいました。
発見が早かったとはいえ、一センチ以上のポリープであること、肝臓に近い場所にあることなども全摘出の理由だと医師に告げられました。
手術は年末に近い日を早急に決められ、術後に病院が手薄になり心配だと告げると、できるだけ早く取り除いたほうがよいということもいわれました。
心配のない手術はないと日ごろから考えていた私は、これでなにがあっても悔いだけは残したくないと手術の日までもんもんとした日々を送っていました。
持病もなく、唯一血圧が高い母は、血圧を下げる薬を服用していましたが、それもぎりぎりまで服用を続けていました。
あとで知ったことですが、全身麻酔の場合、高血圧や糖尿病がかなりのリスクになるそうでした。
無事に3時間もの手術を終えた母は、傷の痛みはあったものの順調に回復して1週間で退院しました。
この経験は一人暮らしで元気に暮らしている母にとって、まだまだ一人で何でもできると思っていたおごりを考え直された経験であったとあとで話していました。
まわりの気遣いも「年寄扱い」と受け取っていたようです。
母の手術はまた、私の「ガン」に対する考え方にも変化がありました。
ガンは思っていたよりもずっと身近で近くに存在していたんだなと。
そして、ただただ離れて恐れているのではなく、50年近く生きていたらいつか近い将来なるかもしれない病なのだと思いました。
もしなったら、ガンとどう向き合うか、闘っていくのか、だまし、だまししていくのか、自然の摂理に従うのかなど、考えても少しも早くはないのだと思う母の胆のうがんの経験でした。