母は末期の肺がんで脳と足の骨に転移のあるステージ4でした。【体験ブログ】
私の母は肺がんでした。
それも診断された時には既に脳と足の骨に転移のあるステージ4、いわゆる末期ガンでした。
結果から言いますと、残念ながら母は昨年亡くなりました。
私は全く聞かされていませんでしたし、母自身も知らなかったようですが母の担当のドクターと話をした父曰く告知された時点での余命は恐らく3ヵ月程度でしょう、と言われたと言います。
それでも母は告知から一年と一ヶ月生きてくれました。
最初の治療は2週間の入院で脳の放射線治療と抗がん剤治療でした。
告知された頃の母の様子や体調はとても末期ガンの患者だとは思えないほどとても元気で食欲もありましたので本当にステージ4の末期ガンなのかな?
と疑いたくなるほどでしたし信じたくもありませんでした。
幸いな事に初めての抗がん剤治療では目立った副作用もほとんどなくその後は通院での治療でいいとのことでした。
2クール目の治療に差し掛かる頃に髪の毛の脱毛が始まりました。
皆さんがよく想像するのはドラマなどでよく見かける髪の毛を触るとゴッソリと手に髪の毛がついて抜け落ちる脱毛だと思います。
実際に私も目の当たりにするまではそうやって抜け落ちるものだと思っていました。
ですが実際はそうではありません。
触らずとも何もしなくても抜け落ちた髪の毛が最初は肩や座っているソファなどに落ちていて脱毛が始まったんだと私も母も気づきました。
その後は黙っていても勝手にポロポロと髪の毛が落ちてきます。
ちょうど同じ時期に抗がん剤治療をしていた北斗晶さんは自ら坊主にした、とブログに書いていました。
ですが恐らく坊主にしてもまだ短い毛が残っているのでその短い毛が落ちる方が掃除などの点からは大変だと思います。
そこで母は自ら浴室でシャンプーをして髪の毛のほとんどを抜いてしまいました。
その姿は今でも忘れられません。
それから母は診断された時に既にステージ4だったことと、遠くのガン専門病院よりも自宅の近くの総合病院での治療を望んだためにセカンドオピニオンも受けておりません。
私達家族や、担当のドクターもどちらもセカンドオピニオンを勧め専門病院での治療やホスピスを利用することを検討し本人に打診しましたが本人が望まなかったために全て母本人の意向で治療を進めました。
もしかしたら私達家族がもっと色々と知識があり、母を説得することができれば母の余命は延ばせたのかな、と今でも思うことが正直あります。
患者さんの意向を最優先することが一番いいのかな、とも思います。
ですが本人が一番望んで受けた治療ですし治療を受けるのは患者さん本人ですのでやはり患者さんの意向を最優先することが一番いいのかな、とも思います。
もしもご自身やご家族の誰かがガンだと診断された時には是非色々と情報を仕入れてから患者さん本人の意向と家族の意向とをじっくりと時間をかけてお話してみてください。
もちろんその患者さんのステージや年齢、必要な治療によってケースバイケースだと思います。
患者さんは自身の治療に専念してもらいその患者さんを支える家族の方々がより良い治療や専門病院の情報や知識を仕入れ患者さんの一番良い方法を見出してあげてください。
それが私が経験した上で自分にできなかったことであり後悔していることでもあります。