子宮肉腫で子宮全摘手術。治療と再発防止に向けて。【体験ブログ】
私の姉は今から10年前、「子宮肉腫」というがんに罹患しました。
「肉腫」というのはがんの一種で、骨や筋肉にできる悪性の腫瘍です。
姉は生理痛がひどく、生理中はどこにも出掛けられず、痛み止めを飲んでも効果がなく、生理中は本当に辛そうにしていたのを覚えています。
姉は不妊治療も経験していて、不妊治療の専門の病院にも通院をしていたのです。
何回か不妊治療の専門病院に通院をするうちに先生から「子宮筋腫がある」と言われたのです。
姉夫婦は子供が欲しい気持ちもあったのですが不妊治療の病院に通うことを辞め、姉は会計事務所で働き始めることを決めたのです。
会計事務所で働くようになってからも生理中には強い腹痛があり、会社を休んでいたので「そんなに生理痛が強いのって、おかしくない?他の病院で診察してもらうのも良いかも知れない」と姉が自分で判断し、近郊の市民病院で診察をしてもらったそうです。
「子宮筋腫かも知れないけれど、何かおかしい」
そうしたら、市民病院の先生は「子宮筋腫かも知れないけれど、何かおかしい」という診断をされたそうです。
何回か市民病院に通院をして、「子宮筋腫かも知れないけれどセカンドオピニオンということで、県立がんセンターの先生にも判断を仰いだ方が良いだろう」ということで紹介状を書いてもらうことができたそうです。
県立がんセンターの先生の話では「子宮肉腫に罹患する人は稀だから、子宮筋腫の可能性もあるから」ということでした。
「子宮を全摘するけれども、卵巣は残す」
姉の住んでいる地域には総合病院や大学病院もありましたが、姉と義兄が「がんかも知れない可能性があるのなら早い段階で手術をしたい」ということで、県立がんセンターへの入院・手術が決まりました。
実家の母には「子宮筋腫だから心配ないよ。子供も欲しいと思っていたけれど、子宮を全部取ってもらっちゃうことにしたから」と姉が伝え、私も「子宮筋腫のコブだけを取る手術をしても、再発を繰り返してしまう人も多いみたいだから安心のために子宮を全部取るという選択もありかもね」と言うしかなかったのです。
姉の手術は「子宮を全摘するけれども、卵巣は残す」ということに決まり、手術の日を迎えたのです。
義兄・母・私の3人で姉の手術が終わるのを待っていました。
その間は大きな不安と緊張に包まれて、長い時間だったような気がしています。
でも予定していたよりも早く手術が終わり、手術をしてくれた先生が私達3人を小さな部屋に案内をしてくれ、手術で取り出した子宮を見せてくれたのです。
「ここが妊娠した場合、赤ちゃんが入っている場所。それで、ここに子宮筋腫だか何だか分からないものがあってね。でも、私が見る限りでは子宮筋腫ともちょっと違う。
詳しく病理検査をしてみてからの結果待ちということになります」ということでした。
手術後の姉は思っていたよりも元気で、入院期間も2週間でした。
退院後の1回目の診察の時、病理検査の結果が出ました。
結果は子宮肉腫でした。
でも、姉の場合は早期発見だったようです。
先生も「早期だったから、転移もないでしょう」と話してくださったのです。
その後、5年間は採血をして腫瘍マーカーをチェックしたり婦人科の診察をして経過を見ていました。
5年を過ぎたところで県立がんセンターに通院するのを卒業し、「後は近郊の病院で定期的にがん検診をすれば良いでしょう」と言われるようになるまで回復することができました。
姉の場合には化学療法も、放射線治療も、内服薬を飲むこともなく手術のみでがんを克服することができました。
子宮筋腫と間違われやすい子宮肉腫という病気の早期発見には、「強すぎる生理痛がある場合には、ためらわずに婦人科を受診すること」が良いそうです。
定期的な婦人科検診も面倒くさいと思わずに受けなければいけないな、と思います。