肺がん検査の費用や種類、方法は?
検診等を必ず受けることによって、がんの早期発見に努めることが大切
人間の肺は胸の左右に1つずつあり、胸の大部分を占める臓器です。
そんな肺の肺胞、気管支、気管の一部の細胞が何らかの原因でがん化してしまったものを「肺がん」と呼んでいます。
近年、「肺がん」は日本人のがんによる死亡原因において、全てのがんの中で第1位となりましたが、現在でもさらに増加傾向となっています。
「肺がん」は喫煙との関係が非常に深いがんとなっていますが、たばこを吸わないという人においても、受動喫煙(周囲に流れるたばこの煙を吸うこと)により「肺がん」の発症リスクが高まるということもわかっています。
そのため、誰でも発症のリスクはあるので、検診等を必ず受けることによって、がんの早期発見に努めることが大切です。
「胸部X線検査」、「胸部CT検査」、「血液検査」が検査の基本
「肺がん」の検査としては、まず、「肺がん」の有無を調べるため、「胸部X線検査」、「胸部CT検査」、「血液検査」等を行います。
「胸部X線検査」は胸部のレントゲンを撮影し、その画像に怪しい影が写っていないか検査します。
「胸部CT検査」は、コンピューター断層撮影法を略したものであり、特殊な機械によってX線を身体に照射し、コンピューター処理によって、体内を輪切りにした画像を得ることができる検査です。
「胸部CT検査」では、がんの性質や大きさ、周囲の臓器への広がり等の情報を、X線検査よりはるかに多く得ることができ、がん治療の効果判定や経過観察でも行われる検査です。
「血液検査」では、腫瘍マーカーと呼ばれる、血液中で測定できる、がん細胞が産生する特殊な物質の値を調べます。
この値によって、がんの広がりや性質の目安が示されるとされていますが、がんがあっても腫瘍マーカーが異常値を示さないというケースもあります。
詳細は「病理検査」で
上記の検査によって、「肺がん」が存在するという可能性が高くなった場合には、「喀痰細胞診」、「気管支内視鏡検査」、「経皮的肺生検」、「胸水の検査」等の「病理検査」を行い、「肺がん」の組織や細胞を採取し、診断を確定させます。
「喀痰細胞診」では、患者の痰を顕微鏡で調べ、がん細胞が含まれていないか、血が混じっていないか等を検査します。
1回のみの検査では、がん細胞が発見されないケースもあるため、数日かけて何回か繰り返し検査を行います。
「気管支内視鏡検査」では、太さ5~6mmの気管支内視鏡を、口や鼻から挿入し、のどから気管支を調べて、がんの疑いのある部位から、細胞や組織を採取して調べる検査です。
検査時は口腔の奥まで局所麻酔を行って、検査による喉や気管の痛みを軽減します。「経皮的肺生検」は、「喀痰細胞診」や「気管支内視鏡検査」を行っても診断がつかない場合や、これらの検査の実施が難しい場合に行われる検査です。
この検査は、CTや超音波、あるいはX線透視等で確認しながら、皮膚の上から細い針を肺に刺して、組織を採取し、病理検査を行う検査となっています。
「胸水の検査」では、胸に水がたまっている際に行われ、肺の外にたまった水を抜いてがん細胞の有無を調べる「胸水穿刺細胞診」等が行われます。
これまでの検査で「肺がん」の診断が確定した場合は、別の臓器への遠隔転移の有無を調べるために、腹部のCT・超音波(エコー)検査、脳のMRI検査、FDG-PET検査、骨シンチグラフィ―等の検査が行われます。
市町村が実施しているがん検診等で受ければ、自己負担金額も少なく受けられます。
これらの「肺がん」の検査の中で、たとえば「胸部X線検査」や「喀痰細胞診」は検診等でもよく行われている検査です。
市町村が実施しているがん検診等で受ければ、自己負担金額も少なく、自治体によっては数百円ほどの負担額で受けられる場合もあります。
一度、自分の住んでいる自治体に問い合わせてみると良いと思います。
また、CT検査が入った「肺がん」検査だと約1万3千円程度はかかるようですが、これも個人で受けるよりは安いと思います。
これも自治体に確認してみると良いと思います。