口腔がんの初期症状は?気になるチェック項目は?
「口腔がん」とは、歯茎や舌等の粘膜に発生するがんの総称です。
「口腔がん」は全ての「口腔がん」はすべてのがんの種類の中で比較してみると、発症率が約1~3%程度となっており、比較的稀ながんですが、頭や喉に発生するがんの中で比べてみると、喉頭がんに次いで2番目に多いがん(約40%)となっています。
「口腔がん」には、舌に発生する「舌がん」、歯茎に発生する「歯肉がん」、頬の粘膜に発生する「頬粘膜がん」、舌と下あごの歯茎の間に発生する「口底がん」、上あごの上にある空洞部分に発生する「上顎洞がん」、口の中の天井部分に発生する「口蓋がん」という種類があり、この中で最も発生頻度が高いのが「舌がん」であり、「口腔がん」全体の約60%を占めています。
「口腔がん」の初期症状は?
「口腔がん」の初期症状では、舌や歯茎が赤や白に変色する、「紅板症」や「白板症」という症状があらわれますが、痛みはありません。
がんが進行し、腫瘍が大きくなってくると、硬いしこりとなってあらわれてきますが、その腫瘍には見てわかるほど大きくなるものもあれば、触ってみるとわかる程度のものもあります。
また、がんが周囲の細胞を浸潤してくると、口の中の一部分がヒリヒリする、小さな潰瘍があらわれる、食事中にしみるという症状があらわれてくることもあります。
さらに、「口腔がん」は首のリンパ節に転移するケースがおおくなっているので、首のしこりやリンパ節の腫れによって発見されるケースもあります。
その他、前述した「口腔がん」の中のそれぞれのがんにおいて、初期症状に違いがあります。
「舌がん」
「舌がん」では、粘膜の表面が白くなるだけの症状があらわれる場合と、粘膜の表面下で小さなしこりが発生するだけで、粘膜表面にはほとんど変化があらわれない場合があります。
また、粘膜の表面が赤くなる場合や、痛みだけがあり、しこりや色の変化等があらわれないという場合もあり、初期症状の種類が多くなっています。
「歯肉がん」
「歯肉がん」では、歯肉のすぐ下にある顎骨が溶けて、歯がグラグラしてくる場合があります。
また、「歯肉がん」では歯肉が腫れてしまって出血しやすくなり、潰瘍が発生することもあります。
「口腔底がん」
「口腔底がん」では、粘膜の表面の色が部分的に白くなったり、赤くなったりする症状があらわれます。
また、がんがある程度進行すると、粘膜の隆起やしこり、潰瘍等が発生することもあります。
「頬粘膜がん」
「頬粘膜がん」では、「口腔底がん」と同じく、粘膜の表面の色が部分的に白くなったり、赤くなったりし、がんがある程度進行すると、粘膜の隆起やしこり、潰瘍等が発生する場合があります。頬の部分に腫瘍や潰瘍が発生すると、口が開きにくくなっていってしまいます。
「上顎洞がん」
「上顎洞がん」では、がんの進展方向によって症状が異なりますが、上顎の頬や歯の付け根の粘膜が腫れたり、頭痛、歯痛、鼻水や鼻づまり、開口障害、眼球突出、複視等、さまざまな症状があらわれる場合があります。
「口蓋がん」
「口蓋がん」は、「腺がん」と「扁平上皮がん」の2つに分類され、「扁平上皮がん」の場合は、粘膜の隆起やしこり、潰瘍が発生することがあります。
「腺がん」は口蓋の後ろ部分に発生することが多く、粘膜は膨らみますが、粘膜の表面は正常で潰瘍等が発生することもなく、しばしば痛みを伴うのが特徴です。
「口腔がん」は、その症状が似ていることから、口内炎や歯周病と間違ってしまい、なかなか病院を受診せず、放置してしまうことで、手遅れになるほどがんが進行してしまうというケースも少なくありません。
「口腔がん」の早期発見のためには、日頃から口の中を観察する習慣をつけて、しこり等の何か異常があったらすぐに気づくことができるようにしておくようにしましょう。