膀胱がんの初期症状は?気になるチェック項目は?
「膀胱がん」の代表的な初期症状は「血尿」
膀胱は腎臓で作られた尿をためておく臓器です。その尿は腎臓で作られた後、腎盂、尿管を通って膀胱へとおくられます。膀胱の表面は伸縮性がある「移行上皮」という粘膜で覆われていて、「膀胱がん」はこの「移行上皮」から発生することが多くなっています。
「膀胱がん」は膀胱内に2個以上発生することがおおくなっており、さらに、尿の流れの上流である尿管や腎盂にもがんが発生している場合があります。
「膀胱がん」には、2種類のタイプが存在します。
その1つは「表在性膀胱がん」で、ブロッコリーのような形で乳頭状に成長し、このタイプは早期発見できれば、病状が重篤になるということもなく、生存率も高くなっています。
もう1つは「浸潤性膀胱がん」で、このタイプは膀胱の表面部分に徐々に浸透していき、がんの進行自体も非常に速くなっており、他の臓器等にも転移しやすい事から、悪性度に関しては「表在性膀胱がん」より遥かに高いといえます。
したがって、「膀胱がん」の初期症状を理解して、がんを早期発見し、速やかに適切な治療を受けることが重要となります。
「膀胱がん」による「血尿」は痛みを伴わない
「膀胱がん」の代表的な初期症状として、「血尿」があります。「膀胱がん」による「血尿」は痛みを伴わなく、「血尿」が出たり出なかったりを繰り返すようになりますが、「膀胱がん」患者の大部分である約70%に「血尿」の症状がみられます。
「血尿」の症状は、膀胱炎や腎機能が低下した場合でも発生することがありますが、痛みを伴わない場合は「膀胱がん」の疑いがありますので、注意が必要です。
残尿感や「排尿時の痛み」も要注意
「膀胱がん」が進行してくると、残尿感があったり、尿が出にくくなるといった症状が、がんの腫瘍が大きくなって膀胱内を傷つけることで、発生する場合があります。
このように「膀胱がん」の腫瘍が大きくなって尿管を完全にふさいでしまった場合は、尿が膀胱に入らなくなってしまうことから、腎臓に水がたまるようになり、「水腎症」や「腎盂炎」等を引き起こすというケースもあります。
「水腎症」を発症すると、背中に鈍痛を感じるようになりますが、尿管結石でもこのような症状が発生することがあるので注意が必要です。
「浸潤性膀胱がん」のような悪性の「膀胱がん」の場合では、初期症状として「下腹部に重くのしかかるような痛み」や「排尿時の痛み」を感じたりすることもあります。
その他の「膀胱がん」のチェックポイントとしては?
尿検査を受けた際に、尿潜血で陽性反応が出た事がある、尿意があるのにも関わらず、あまり尿が出てくれない、膀胱炎の治療を受けても、症状が一向に良くならない、等があります。
これらの項目に1つでも当てはまる場合は、「膀胱がん」である可能性があるため、速やかに医療機関を受診するようにしましょう。
「膀胱がん」は他のさまざまながんとは異なり、知らないうちにがんが進行するということはなく、比較的、自覚症状があります。
ただ、その初期症状は、膀胱炎と非常に似ているため、がんだと気づかないまま、膀胱炎の治療を続けてしまっているケースもあります。
そのため、膀胱炎の治療をしばらく行っていても、その症状が改善しないというときには、「膀胱がん」の疑いを持ち、その専門の医療機関を受診することをおすすめします。