排気ガスの影響は?【癌の原因:発がん性化学物質】
発ガン性科学物質が、車の排気ガスにも含まれています。
私たちの身近にある「発ガン性化学物質」は、ガンの原因の一つとなっています。
文明の進歩によって生み出された様々な化学物質には、もともと地球上になかったものが多くあります。
このような化学物質には、はっきりとした発ガン性が確認されているものが複数あるとのことなのです。
このような発ガン性科学物質が、車の排気ガスにも含まれています。
排気ガスはガソリンや軽油といった燃料が化学反応を起こした際や、これらの燃料がエンジンで燃焼した際に発生する気体のことをいいます。
大気中に放出される車の排気ガスには「ベンゼン」、「ダイオキシン」といった発ガン性科学物質が含まれており、特にディーゼル車から出る排気ガスには多くの発ガン性化学物質が含まれていることが明らかとなっています。
そのため、近年では大都市圏を中心にディーゼル車の規制が進み、車両自体においても有害な物質が極力出ないようにする構造に変わってきています。
これにより、日本国内のディーゼル車の排気ガス問題は、大きく改善してきているといわれています。
車の排気ガスはガンの原因となりえるものであるということがわかると思います。
WHO(世界保健機構)の傘下であるIRAC(国際ガン研究機関)では、車の排気ガスに含まれているような発ガン性化学物質を分類しています。
その分類では、グループ1、グループ2A、グループ2B、グループC3、グループ4があり、人間に対して発がん性を示す証拠が十分にあるもののグループが、グループ1となっています。
次に、人間に対し発がん性を示す限定的な証拠があり、動物に対し発がん性を示す証拠が十分にあるもののグループが、グループ2Aとなっています。
次に、人間に対し発がん性を示す限定的な証拠があり、動物実験での発がん性を示す証拠が十分より少ないもののグループが、グループ2Bとなっています。
次に、人間での発がん性を示す証拠が不十分であり、動物実験での証拠が十分ではないもののグループが、グループC3となっています。
最後に、人間と動物実験で発がん性がないことを示唆する証拠が存在するもののグループが、グループ4となっています。
そして、現状において、ディーゼルエンジンより排気される排気ガスは、グループ1に分類されています。
また、ガソリンエンジンから排気される排気ガスは、グループ2Bに分類されています。
このことからも、車の排気ガスはガンの原因となりえるものであるということがわかると思います。
ちなみに、肺ガンの原因の多くは、この車の排気ガスにも含まれている「発ガン性化学物質の吸引」によるものが多いとされています。
この肺ガンの原因となる発ガン性化学物質は、タバコに含まれているニコチンやタールが主なものだと考えられています。
しかし、車の排気ガスも肺ガンを発症させる遠因だといわれているのです。前述の、ディーゼル車のディーゼルエンジンから排気される排気ガスに含まれている発ガン性化学物質や、スパイクタイヤによって発生するアスファルトの粉塵が、肺ガン発症の原因となるといわれています。
ただ、1990年代からの法規制によって、スパイクタイヤからの粉塵は減少してはいるようです。
発ガン性化学物質というとタバコ等を思い浮かべる方が多いと思いますが、このように、車の排気ガスにも含まれていることを知っておく必要があると思います。
現在は、法規制等で排気ガスに含まれている発ガン性化学物質も減少傾向にあるようですが、完全に無くなったわけではありません。
そのような環境で生活しているという事を自覚し、なるべく排気ガスを遠ざけるように心掛けてみてはどうでしょうか。