健康診断 定期検診

私が乳がんと診断されたのは、40代の後半でした。

幸い最初期の段階で発見されたので乗り切ることができましたが、今思うと発見にはかなり偶然がからんだ幸運が重なっていました。

【運命のチラシ広告】

私は基本的に健康でこれといった問題はなく、ただコレステロールが高めなので1年に1回は血液検査を心がけていました。
いつも行っているクリニックが移転したためにどうしようかと思っていたら、家のポストに新しいクリニックのチラシ広告が入っていました。

読むと家から近く私のニーズに合っていたので、そのクリニックに行くことにしましたが、今思うとこれは私を救った運命の広告でした。

【女性ドクターの気遣い】

新しいクリニックはそこそこの規模で何人もドクターがいましたが、その時私を診察したのは、アジア人の女性のドクターでした。
一通りの検査と血液検査の予約をした後、私の年齢を確認すると「念のために乳がんの触診をしましょう。」と言いました。

今までの行きつけのドクターは男性だったのでそういうことは一度も無かったのですが、今度は女性のドクターなのでケアが行き届いているのだな、と思って触診してもらうことにしました。
しかしドクターは私の左側の胸を触診しながら、何度か手を止めてやり無しをしました。

そして「何かがあるので、マンモグラフィーと超音波の検査をした方が良い」と言って、紹介状を書いてくれました。

【検査の結果は乳がん】

その後マンモグラフィーと超音波の検査を受けましたがやはり疑わしい点があり、針生検も必要になりました。
そして針生検の結果は陽性で、乳がんでした。

最初に触診した女性ドクターは乳がんの専門医を紹介してくれて、手術をすることになりました。
幸い初期だったために部分切除の日帰り手術で済み、抗がん剤治療を受ける必要は無く、放射線治療だけ受けることになりました。

【初期発見は偶然の幸運が重なった結果】

それまで私は病気らしい病気をしたことがなく自分は健康体だと思っていたので、乳がんは青天の霹靂でした。
当時私は一人で店舗を経営していたので、もしがんの発見が遅れて抗がん剤治療をするようになったらビジネスを続けられなかったかもしれません。

それどころか命があったかどうかもわかりません。

がんが初期発見されたのはとてもラッキーでしたが、数々の偶然が重なった結果でした。

もし最初のクリニックが移転していなかったら、家のポストに広告が入っていなかったら、アジア人女性のドクターに出会わなかったら...どれか一つが欠けても今の私はありませんでした。
特に頼んだわけでもないのに気をきかせて触診してくれたアジア人女性のドクターは命の恩人です。

ちなみに私の胸のしこりのサイズは10mm x 4mm でした。

触診で発見できる最小サイズで、腕の良いドクターでなければわからなかったかもしれません。
その女性ドクターには手紙を書いて篤く感謝の気持ちを伝えました。

これは私の乳がん発見までのエピソードです。
当時からすでに10年が過ぎましたが、再発はしていません。

多くの人はこんな幸運に恵まれずに、乳房を失ったり、長く苦しんだり、命を落としたりしているという現実があるので、本当に心苦しく思います。
このできごとで、ただ毎日健康に過ごせるだけでどれだけありがたいか、ということがわかりました。

健康であることは当たり前でないので、できるだけの方法で健康維持を心がけて一日一日を大切に過ごして行こうと思うようになりました。




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