ピロリ菌の除菌方法としては、薬を服用して行う除菌療法がメイン。
ピロリ菌の検査方法としては、胃カメラを使う方法と、胃カメラを使わない方法の2種類に大きく分類されます。
この中で、胃カメラを飲む検査のほうが健康保険適用であるため、安くピロリ菌の治療を行いたいと思っている方は注意するようにしましょう。
ピロリ菌の検査方法の中で、胃カメラを使う検査としては、まず、迅速ウレアーゼ試験(RUT)という検査があります。
これはピロリ菌のもつ酵素の働きで作り出されるアンモニアの量を調べます。
それにより、ピロリ菌が存在するかどうかを調べるという試験になります。
この試験では、胃カメラを使って組織を採取し、生検するという流れになりますが、20分~1時間ほどで結果がわかります。
そのため、検査したその日のうちにピロリ菌感染の有無がわかりますので、除菌治療前の診断ではよく行われる試験だそうです。
ただ、除菌治療後の除菌成功確認検査には適さないので注意が必要です。
次に、胃カメラを使う検査で鏡検法という検査があります。
この鏡検法では、採取した組織を染色して、顕微鏡で観察します。
これによりピロリ菌が存在するかどうかを調べる検査です。
この鏡検法では、顕微鏡で実際に組織を見てピロリ菌の有無を調べるため、検査者の熟達度によって検査結果が左右されてしまうという問題点があります。
次に、胃カメラを使う検査で培養法という検査があります。
この培養法は、採取した組織を用いて培養した後に、ピロリ菌が増えるかどうかを調べる検査です。
この培養法は、検査結果の信頼度が高いため、ピロリ菌診断のゴールデンスタンダードと呼ばれる標準の検査方法となっています。
しかし、ピロリ菌は培養することが難しい細菌のため、偽性判定が出てしまう場合もあるとのことです。
次に、胃カメラを使わない検査で抗体測定という検査があります。
この抗体測定では、血液や尿を採取してピロリ菌に対する抗体の有無を調べます。
これによりピロリ菌に感染しているかどうかを調べる検査です。
この抗体測定は人間ドックで行われるピロリ菌検査時に、尿検査で行われるケースが多いのですが、尿検査や採血で簡単に行える検査である分、検査結果の信頼度は落ちるとされています。
特に、免疫異常があったり、ピロリ菌の感染直後であるケースでは陽性とはならないようです。
また、かなり広がった萎縮性胃炎、胃がんリスクが高まっているような進行した胃炎においては、ピロリ菌が減少しているために陰性となってしまうことがあるので注意が必要です。
次に、胃カメラを使わない検査で尿素呼気試験という検査があります。
この尿素呼気試験では、検査用の薬を飲み、一定時間経過した後に、吐き出された息である呼気を調べます。
これによりピロリ菌に感染しているかどうかを調べる検査です。
とても簡単に行える検査のため、除菌治療後にその除菌がきちんと行われたかどうかを診断するのに適した検査とされています。
次に、胃カメラを使わない検査で便中抗原測定という検査があります。
この便中抗原測定では、便を採取してピロリ菌抗原があるかどうかを調べます。
自宅で便を取り、病院で判定してもらうだけなので手軽に行え、信頼度も高い検査です。
除菌治療後の成功可否の判断にも用いられる検査となっています。
ピロリ菌の除菌方法としては、薬を服用して行う除菌療法があります。
この療法では、まず1次除菌として、2種類の抗生物質と、抗生物質の効き目をよくするためにPPIという胃酸を抑える薬を1種類、合計3種類の薬を1日2回、1週間内服し、この1次除菌で約75%の方が除菌に成功するそうです。
もし、抗生物質に耐性があって効かなかった場合は、2次除菌が行われ、この1次除菌・2次除菌合わせて約95%の方が除菌に成功するとのことです。
このようなピロリ菌の検査費用としては、胃カメラを使う検査の場合、だいたい6000~8000円くらいが目安だそうです。
そして、除菌にかかる費用はだいたい3000円程度が目安だそうですが、これらの費用はあくまで目安ですので、治療前に病院に確認することをおすすめします。