抗がん剤の一種で微小管阻害薬に分類されるドセタキセル(タキソテール)

ドセタキセル(タキソテール)とは、抗がん剤の一種で微小管阻害薬に分類されており、ヨーロッパイチイから抽出された成分を使って作られ、タキサン系に属しています。

ドセタキセル(タキソテール)は、サノフィ株式会社から点滴薬として販売されており、タキソテールはその商品名となります。

ドセタキセルは同じヨーロッパイチイの成分から開発されたパクリタキセルと名称が似ていて、作用機序も同様なのですが、後発のドセタキセルのほうがしびれなどの副作用が比較的少なく、抗腫瘍効果も高いという報告がされています。

さらに、溶媒が違うことから、ドセタキセルのほうがパクリタキセルよりも過敏症の頻度は低いとされています。

そのため、ドセタキセルの投与前には、パクリタキセルとは違って、抗ヒスタミン薬等の前投薬は必要ないとされています。

ドセタキセルは日本国内においては、転移・再発乳がんや進行非小細胞肺がんの標準治療薬として、1969年に承認されました。

がん細胞は細胞分裂を繰り返すため、増殖速度が速いという特徴を備えています。

しかし、正常細胞は勝手に分裂すると臓器の肥大化を引き起こしますので、細胞分裂を活発には行いません。そのため、がん細胞と正常細胞には細胞分裂の速度に大きな違いが現れます。

この違いを利用して、抗がん剤は細胞分裂の速い細胞を攻撃ターゲットにするという考えで開発されており、この分裂速度の速い細胞に対して攻撃し、がん細胞に対して細胞死へと誘導します。

細胞が細胞分裂を行う際には、DNAを複製した後に、このDNAを2つに分けるようになります。
この時に微小管という物質が重要となりますが、DNAを2つに分ける際、この微小管が寄せ集まることでDNAを分ける準備が整います。

このように微小管が寄せ集まる状態の事を専門用語で「重合する」といっています。

DNAを2つに分けた後、微小管は寄せ集まった状態から、元のバラバラの状態に戻りますが、この過程の事を「重合する」に対して「脱重合」と呼んでいます。

そこで、この微小管の「脱重合」を阻害することができれば、細胞分裂の最後の過程を阻害するので、細胞分裂をストップすることができます。

このように、細胞分裂において微小管が関わっている過程を阻害して、細胞分裂をストップし、抗がん作用を示す抗がん剤がドセタキセルであり、微小管の「脱重合」を阻害することから、微小管脱重合阻害薬とも呼ばれています。

ドセタキセルの代表的な副作用は?

ドセタキセルの代表的な副作用としては、まず骨髄抑制が挙げられ、特に好中球の減少が顕著であるとされています。
そのため、ドセタキセルの投与後7日目前後は感染症対策のため、うがいや手洗いを徹底する等することが重要です。

また、ドセタキセルの特徴的な副作用として浮腫があり、心膜膣への体液の貯留である心タンポナーデや肺水腫等の重症例も報告されています。

ドセタキセルは体液が溜まりやすい抗がん剤であるとされていますので、特に注意が必要です。
さらに、ドセタキセルの投与直後には、急性のアレルギー症状であるアナフィラキシーショックの発生も報告されています。

このような重篤な過敏症は、ドセタキセルの投与初回や2回目の投与開始から数分以内に多く発現しますので、十分に注意するようにしましょう。

その他、ドセタキセルの一般的な副作用としては、下痢、嘔吐、吐き気等の消化器症状や、発疹等が発生しますが、重篤な症状になるものは少なく、ドセタキセルの投与前にはステロイドや5-HT3拮抗薬等の予防投与が行われます。

ドセタキセルの長期投与による特徴的な副作用としては、浮腫と爪の変化があり、浮腫に関してはドセタキセルの投与中止により回復しますが、爪の変化に対しては、現在までのところ確立された対処法はありません。

もし、爪の変化が発生した場合には、鎮痛剤で対処したり、患部を清潔に保って回復を待つようにしましょう。

【まとめ】植物アルカロイド一覧

パクリタキセル注射剤(アブラキサン)
>>様々ながんの治療に用いられている抗がん剤の1つ

ビンブラスチン(エクザール)
>>微小管阻害薬に分類されている抗がん剤の1つ

ビンデシン(フィルデシン)
>>細胞分裂において重要な役割を果たしている微小管の働きを阻害する抗がん剤

ビンクリスチン(オンコビン)
>>多発性骨髄腫、白血病、悪性リンパ腫等の血液の悪性腫瘍の治療に用いられる植物アルカロイド

ビノレルビン(ナベルビン)
>>手術不能もしくは再発してしまった乳がんに対しても用いられる植物アルカロイド

パクリタキセル(タキソール)
>>イチイ科の植物から抽出された成分を使って作られた抗がん剤

ドセタキセル(タキソテール)
>>パクリタキセルと名称が似ていて、作用機序も同様だが抗腫瘍効果も高い場合も。

ノギテカン(ハイカムチン)
>>小細胞肺がんや、がん化学療法後に悪化した卵巣がんの治療に使用される抗がん剤

ソブゾキサン(ペラゾリン)
>>成人T細胞白血病リンパ腫や悪性リンパ腫の治療に使用される抗がん剤

エリブリン(ハラヴェン)
>>再発または手術不能の乳がんに使用される抗がん剤

エトポシド(ベプシド、ラステッド)
>>北アメリカのメギ科の植物の根から抽出した抗がん剤

イリノテカン(カンプト、トポテシン)
>>卵巣がん、子宮がん、乳がんや進行再発胃がん、また、肺がんや大腸がん等の幅広いがんに適用される抗がん剤




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