癌 検診 体験談

いろいろな悪性腫瘍の治療に用いられるダカルバジン(ダカルバジン)

ダカルバジンとは、アルキル化剤系の抗がん剤であり、ホジキンリンパ腫、悪性黒色腫、膵ランゲルハンス島腫瘍、肉腫等のいろいろな悪性腫瘍の治療に用いられています。

ダカルバジンは1975年にFDAに承認され、1985年11月に日本でも輸入承認されました。さらに、2013年3月には、褐色細胞腫に対する適応追加承認が日本において取得されました。

ダカルバジンの作用機序・効果・効能は?

ダカルバジンは協和発酵キリン社から注射薬の形態で販売されており、静脈注射もしくは点滴静注によって投与されます。

ダカルバジンは、がん細胞のDNAに「アルキル基」という原子のかたまりを結合し、DNAの二重らせん構造をほどけなくさせることで細胞の異常増殖を阻害する薬で、このような働きは他のアルキル化剤と同様となっています。

ダカルバジンの治療法の中でも特に知られているレジメンとしては、ホジキンリンパ腫の初回治療として実施される「ABVD療法」があります。「ABVD療法」とは、4種類の薬剤(アドリアシン(ドキソルビシン)、ブレオ(ブレオマイシン)、エクザール(ビンブラスチン)、ダカルバジン)を併用して治療を行う、ホジキンリンパ腫における標準的な化学療法となっています。

また、悪性黒色腫においては、ダカルバジンの単剤投与のほか、「DAV療法」や「DACTam療法」が実施されます。「DAV療法」とは、ダカルバジンとニムスチン・ビンクリスチンを併用して行う治療法であり、「DACTam療法」とは、ダカルバジンとニムスチン・シスプラチン・タモキシフェンを併用して行う治療法です。

また、ダカルバジンは腎臓で排泄される薬です。
そのため、腎機能が低下している患者に対しては、薬を減量したり、投与を避けるということもあります。

ダカルバジンの副作用はあるの?

ダカルバジンの副作用の中で、もっとも症状が強いといわれるものは、吐き気や嘔吐の症状となっており、催吐性のリスク分類においてもシスプラチン等の薬剤と並んで「高度」に分類されています。

そのため、制吐剤によって吐き気や嘔吐の症状の予防を行う必要があります。
また、ダカルバジンの投与中には、血管痛や静脈炎というような副作用が発生することが比較的多くなっています。

ダカルバジンには光によって分解されやすいという特徴があり、その分解による産物が血管痛の原因となります。

そのため、ダカルバジンの点滴中は、その薬にカバーをかけて遮光する必要があります。
その一方で、ダカルバジン以外の多くの抗がん剤で見られる骨髄抑制の症状は、ダカルバジンにおいては少ないとされています。

ただし、高齢者や臓器の機能が低下している患者においては骨髄抑制の症状が発生するリスクが高まります。
そのため、ダカルバジンの投与後は感染症や貧血、出血等の症状に気をつける必要があります。

また、前述の「ABVD療法」に使用される「ビンブラスチン」の副作用に腸閉塞(イレウス)があります。

そのため、ダカルバジン投与中は排便の有無もしっかりと確認するようにし、腸閉塞(イレウス)の予防に努める必要があります。
さらに、手や足の力が入らなくなる、手足がしびれる等の末梢神経障害の症状が現れる場合もあります。

この末梢神経障害の症状が続く場合や悪化した場合においては、ダカルバジン減量や休薬が検討されますので、症状の状態については、担当の医師に逐一報告するようにしましょう。

その他のダカルバジンの副作用として、発生頻度は低いものの、アナフィラキシーショックや重い肝障害等の症状が発生する場合もあります。

スウェーデンの保健福祉庁では、ダカルバジンによるこの肝障害の症状発生の問題に対して黒枠警告を設置しており、ダカルバジンの使用を避けるように勧告しています。

また、ダカルバジンの長期間にわたる使用によって、骨髄異形成症候群や急性白血病、固形がん等の二次がんが発生したというケースも報告されています。

そのため、ダカルバジンの投与中は慎重な経過観察を行うことが重要となります。
また、治療中の定期検査等はきちんと受けるようにし、副作用の予防に努めるようにしましょう。

【まとめ一覧】アルキル化剤の種類

ニムスチン(ニドラン)
>>いろいろながんの治療に適応しているアルキル化剤

ダカルバジン(ダカルバジン)
>>ホジキンリンパ腫、悪性黒色腫、膵ランゲルハンス島腫瘍、肉腫等の治療に適応しているアルキル化剤

イホスファミド(イホマイド)
>>ナイトロジェンマスタード系のアルキル化剤に分類

テモゾロミド(テモダール)
>>悪性度の高い脳腫瘍等に使用されるアルキル化剤

プロカルバジン(塩酸プロカルバジン)
>>1973年に悪性リンパ腫の治療薬として承認されたアルキル化剤

ラニムスチン(サイメリン)
>>田辺三菱製薬よりストレプトゾトシンを基本骨格として創薬されたアルキル化剤

メルファラン(アルケラン)
>>骨髄腫治療薬として承認されているアルキル化剤

シクロホスファミド(エンドキサン)
>>投与されると肝臓で代謝され、活性代謝物へと変化し薬効を示すアルキル化剤

ブスルファン(ブスルフェクス、マブリン)
>>アルキル化薬に属する、かなり強力な抗がん剤




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