ブスルファン(ブスルフェクス、マブリン)とは?効果・副作用は?



抗がん剤

アルキル化薬に属する、かなり強力な抗がん剤「ブスルファン」

ブスルファン(ブスルフェクス、マブリン)とは、抗がん剤(抗悪性腫瘍剤)でアルキル化剤に分類されており、ブスルフェクス、マブリンはその商品名となっています。

ブスルファンは、日本においては協和発酵キリン社から、ブスルフェクス点滴静注用という商品名で、また、大原工業社からはマブリン散の商品名で製造・販売されています。

ブスルフェクス点滴静注用は、造血幹細胞移植の前治療に使用される注射剤となっています。
マブリン散は、慢性骨髄性白血病の治療を目的とする経口剤となっており、日本においてブスルファンは、このマブリン散が以前から使用されてきました。

しかし、2006年にブスルファンの注射剤が認可を受けたため、そこからブスルフェクス点滴静注用の製造・販売が始まりました。

略号はBUSでアルキル化薬に属する、かなり強力な抗がん剤

ブスルファンは化学構造的にはスルホン酸エステル系となっており、その略号はBUSでアルキル化薬に属する、かなり強力な抗がん剤です。
ただ、この薬の強さから重い副作用が発生することが多いため、イマニチブ(グリペック)等の優れた新薬が開発されてきた現在では、ブスルファンの処方機会は減少傾向となっています。

ブスルファンは、白血球を減少させる働きを持つため、一時的に病状を落ち着かせることができます。

しかし、病気そのものを完治させることは困難であるため、チロシンキナーゼ阻害薬であるイマニチブやインターフェロン療法、若しくは骨髄移植といった治療法が優先されるようになります。

そのため、ブスルファンによる治療は、これらの治療法に次ぐ、補助的な役割を果たすようになります。

ブスルファンは、がん細胞のDNAに「アルキル基」を結合させ、二重らせん構造をほどけなくすることで、DNAの正常なコピーを阻害する働きを持ち、このような作用は他のと同様となっています。

このDNAの正常なコピーを阻害する働きによって、がん細胞は細胞分裂を行うことができなくなり、がん細胞は死滅に追い込まれます。

ブスルファンは前述の通り、慢性骨髄性白血病の治療に活用されるほか、ブスルファンは免疫抑制効果も持っているため、近年では造血幹細胞移植の前治療としても活用されるようになりました。

慢性骨髄性白血病の治療には前述の通り、マブリン散が使用されてきましたが、マブリン散では慢性骨髄性白血病を完治させることは困難であることから、その使用頻度は少なくなってきています。

その一方でブスルフェクス点滴静注用は、2006年の承認後、造血幹細胞移植の拒絶反応を抑える免疫抑制剤として、「ivBU+CY療法」という「シクロホスファミド」と併用する治療法において活用されています。

この「ivBU+CY療法」では、造血幹細胞移植を行う4〜7日前にブスルファンを投与し、2〜3日前にシクロホスファミドを大量投与するというのが基本的なレジメンとなっています。

気になる副作用は?

ブスルファンの投与時に多く発生する副作用としては、消化器症状(嘔吐、吐き気、下痢、口内炎等)、骨髄抑制、脱毛等の症状があります。

特に造血幹細胞移植等の移植を実施する前の前処置として使用された場合では、骨髄抑制の症状が比較的重くなり、また、長期間持続するとされています。

そのため、移植実施後は感染症や貧血等に十分な注意が必要となります。
また、発生頻度は低くなってはいるものの、ブスルファンの重篤な副作用として、心不全やけいれん、アレルギー反応、間質性肺炎等の症状が発生する可能性もあります。

そのため、けいれん等の症状においては、ブスルファンでの治療を開始する前に、抗けいれん薬を投与したりして、このような副作用を予防することが重要です。

間質性肺炎等の肺障害については、息切れ、空咳、息苦しさ、発熱等の初期症状と思われる症状について注意することが必要であり、もしこのような症状が発生した場合は、すぐに担当の医師に報告し、指示を仰ぐようにしましょう。

さらに、ブスルファンの薬剤が血管外に漏れた場合は炎症につながる恐れがあります。

そのため、ブスルファンの投与中に腫れが発生したり、点滴の落ちが悪くなったり、落ちなくなったりした場合は、速やかに看護師等に症状を報告するようにしましょう。

【まとめ一覧】アルキル化剤の種類

ニムスチン(ニドラン)
>>いろいろながんの治療に適応しているアルキル化剤

ダカルバジン(ダカルバジン)
>>ホジキンリンパ腫、悪性黒色腫、膵ランゲルハンス島腫瘍、肉腫等の治療に適応しているアルキル化剤

イホスファミド(イホマイド)
>>ナイトロジェンマスタード系のアルキル化剤に分類

テモゾロミド(テモダール)
>>悪性度の高い脳腫瘍等に使用されるアルキル化剤

プロカルバジン(塩酸プロカルバジン)
>>1973年に悪性リンパ腫の治療薬として承認されたアルキル化剤

ラニムスチン(サイメリン)
>>田辺三菱製薬よりストレプトゾトシンを基本骨格として創薬されたアルキル化剤

メルファラン(アルケラン)
>>骨髄腫治療薬として承認されているアルキル化剤

シクロホスファミド(エンドキサン)
>>投与されると肝臓で代謝され、活性代謝物へと変化し薬効を示すアルキル化剤

ブスルファン(ブスルフェクス、マブリン)
>>アルキル化薬に属する、かなり強力な抗がん剤




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