癌と診断されると、本人はもちろんですが、家族も相当なショックを受けます

私は、実際に母が乳癌と診断され、すでに転移もあるステージⅣの患者だと知ったときは、どうしたらよいかわからず、本人がどんどん落ち込んでいくのを見ているしかありませんでした。

私以外の家族も、癌か~っといった具合に半ば放心状態で、これから母の癌を治すことは不可能なのかと、もう助からないのかなと考えた瞬間、何とも言えない感情を味わいました。
ステージⅣという診断結果は、転移もある相当酷い状態なので、もう治らないと判断して、抗癌剤以外の薬で癌と一緒に残りの寿命を終えるという選択を母は取ろうとしていました。

当初の母は、自身が持っていた抗癌剤の副作用のイメージから、その治療にはかなり消極的で、もう治らないのに抗癌剤の副作用のために普段の生活ができなくなるくらいなら、抗癌剤での治療はしたくないと言っていました。

母の場合、生活や好きな仕事ができなくなることを何より恐れていたのです。

母の仕事は楽器の先生なので、生活ができず大好きな楽器が弾けなくなるのは、生き甲斐がなくなることを意味していました。

病院からは、セカンドオピニオンを受けてもいいですよと言われていましたが、母はセカンドオピニオンを積極的に受けに行こうとはしませんでした。
セカンドオピニオンとは、今診てもらっている医師とは別の医師に診てもらって、治療方法などの意見を求めることです。

このとき私たち家族は、もし他に本人にベストな治療法があったとしたら、セカンドオピニオンを受けなかったことが、後で私たちを後悔させるなと思ったのです。
そこで母によく話をして、別の病院の医師に、他に方法がないかを確認すべく、セカンドオピニオンを受けることにしました。

この選択が、母の人生を左右することになりました。セカンドオピニオンを受けに行った先の病院で、たまたま癌を治そうという強い意志のある先生に出会えたことが、母を前向きにしてくれました。

母には仕事もあったので、そのことも相談したら、もちろん全てが叶うわけではありませんでしたが、なるべく投薬や手術の時期など、本人の生活スタイルに合わせて治療を考えてもらえたのです。

これは、実際に患者本人である母が言っていたことですが、抗癌剤の治療のイメージは、その副作用でまるで廃人のように生きなければならず、生活ができなくなるものと思っていたが、現実は違ったし、もちろんペースは多少落ちますが、ちゃんと生活しながら治療はできるものだと実感したとのことです。

最初の病院では、治らないという前提があり、薬を使うとしても、それはあくまでも残りの寿命を終えるための延命で、死に向かって歩いていくところでしたが、セカンドオピニオンでは全く違った意見が聞け、先生は治すつもりで治療の提案をしてくださったので、自分が納得いく形で治療を行うことができたと本人は言っていました。

死に向かって病院に行くのか、治して元気になるために病院に行くのかの違いは大きいものでした。

もちろん、現状の説明やリスクの説明はちゃんとありました。
母はステージⅣの乳癌ですので、手術ができるようになるまで、抗癌剤の治療には時間がかかるだろうと言われ、完治の確率もはっきり言ってかなり低いと告げられています。

ですが、先生からは、その低い確率でもその中に入ってほしいと言われ、完治を目指す強い意志を示されました。
その先生の強い意志に引き込まれたことが、前向きに治療するきっかけとなったのです。

治療に積極的になるかどうかは、信頼できる主治医や医療機関、家族などの身近な協力が不可欠です。
もし、癌という診断を受けたなら、治療の選択肢を知ることは本当に大切なことです。

癌の種類や進行具合、生活環境などの個人差があるかとは思いますが、どうすることが本当にベストなのか迷ったときは、セカンドオピニオンを受けに行くことを、私の体験をもってお勧めします。




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