祖父の脳に悪性の腫瘍。言語障害と寝たきりに。【体験ブログ】
私の祖父は脳に悪性の腫瘍が出来て2回の手術を受けました。
しかし癌の進行が早く、広範囲に広がっていた為全て取り除く事は出来ませんでした。
2回目の手術の後から祖父の病状は一気に悪化し、ついにほぼ寝たきりになってしまいました。
そのうち言語障害も出てきて、まともに言葉を発する事も出来なくなってしまったのです。
文字盤などを使って必死にコミュニケーションを。
私達家族は、なんとか本人の意思を汲み取れないかと考え、文字盤などを使って必死にコミュニケーションをとりました。
それが時間や手間がかかる作業でも、コミュニケーションをとることは、私達にとっても本人にとっても本当にとても大事な事のように思えました。
本人が何を考え私達に何を求めているのか、寝たきりになってしまい身体の自由が利かなくなってしまった祖父の願いを少しでも叶えてあげたい…。
当時は只々そんな一心だったような気がします。
例え些細な日常会話でも祖父や私達の心の支えになっていたと思います。
もともと、祖父が入院していた病院と私達が住んでいた場所は遠かった(車で高速使って4時間くらいです。)のですが、仕事が休みの日や連休を使ってちょくちょく会いに行き、近況報告をしたりしました。
私の場合は写真が趣味だったので、外の風景や何気ない日常の一コマを撮ったものを見せながら「病気が良くなったら一緒に観に行こうね!」なんて話していました。
少しでも祖父の気分転換になればいいと、くだらない事から悩みの相談まで色々な話をしたものです。
例え些細な日常会話でも祖父や私達の心の支えになっていたと思います。
そんな事をしている内に少しだけ症状が良くなった時期がありました。
言葉もまともに出てこなかった祖父の口から家族の名前が出たり、好きな歌を口ずさむようになったりする様になったのです。
担当の医師もこれには少し驚いていました。
看護師の方からは「皆さんがたくさん話しかけてくれるから、きっとそれに応えたかったんでしょうね。」と言ってもらいました。
この時ほど、コミュニケーションを取り続けて良かったと思った事はありません。
コミュニケーションは例え本人が話す事が出来なくても、こちらから意志疎通を図る事でわかる事も色々あると思います。
特に癌は症状もきつく本人の気が滅入ってしまう事もよくあると思います。
そんな時、話を聞いてあげたり共感してあげる事で気分が軽くなったり、心の支えになってあげる事ができるのではないでしょうか。
私は祖父のおかげでコミュニケーションの大切さを知る事が出来ました。
同じく癌患者を抱えているご家族の方にもその大切さを伝えたいです。