犬の死亡原因の第一位はガンとされており、その中でも高齢犬が一般的にガンにかかりやすいといわれています。
その犬のガン発症の原因としては未だに未知の部分が多くありますが、その中でも発症の原因の可能性が高いものとされているものを挙げてみます。
まず、犬の老化が原因として挙げられます。
老化によって異常分裂する細胞が徐々に増加していってしまうと、ついには免疫力を上回るほどに増加してしまい、最終的にガン化してしまいます。
また、近年においては、犬の平均寿命が延びてきているので、加齢によるガンの発生率が高まっています。
そのため、犬がガンを発症する確率は、人間の約2倍であるとされています。
次に紫外線もガン発症の原因とされています。
犬の細胞内のDNAに太陽光に含まれる紫外線が当たると、ミクロ単位の小さな傷を作るのですが、この傷がついたDNAが分裂を行った場合、正常ではない細胞となってしまい、分裂を繰り返すとその異常細胞が徐々に増加します。
そして、最終的にはガン化してしまうのです。
直射日光が当たりやすい、鼻先や耳の先等にガンが発症するケースが多いとされており、近年の研究においては、コリー、シェットランドシープドッグ、白猫、白牛等の動物が紫外線にさらされた後、扁平上皮ガンを発症しやすくなったという報告がされています。
また、放射線においても、細胞内のDNAを直接傷つけてしまうため、異常細胞を増殖させてしまいます。
次に、人間において、ヒトパピローマウイルスによって子宮頸ガンが発症されるように、犬においてもある種のウイルスによってガンが発症するというケースがあります。
犬においては、良性多発性皮膚乳頭腫の原因がウイルスとなっているのですが、これは悪性ではないので、大半のものが自然治癒するようです。
次に、ホルモンの影響によってガンが発症するといわれています。
このホルモンの関与によって発症するとされているガンには、前立腺ガン、乳ガン、肛門周囲のガン等があります。
次に、遺伝がガン発症の原因として考えられています。
これは、統計により犬種によってガンの発症率に大きな違いがあることが発見され、これらは生活習慣等が原因とは考えにくいため、何らかの遺伝的要因が絡んでいると考えられています。
次に、化学物質による影響がガンの原因とされています。
犬に使われている一部の商品に混ぜられている石油蒸留液、ポリエーテル類、キシレン、芳香族石油溶媒は発ガン性を有している可能性があります。
さらに「ジエタノールアミン」というペット用シャンプーに含まれている物質は、ヒトに対する発ガン性が疑われる物質として2014年度版の国際ガン研究機関のリストで分類されています。
次に、家電製品、送電線、工作機械、変圧器等によって発生する磁気力の作用する空間である磁場の影響によって、ガンが発症するともいわれています。
この磁場が強ければ強いほど、さらに、磁場にさらされている時間が長ければ長いほど、犬のリンパ腫が発生しやすいという結果が、1995年に行われた調査によって報告されているようです。
また、小児白血病の発症と電線との距離には弱いながらも関連性があるという報告が、米国学術研究会議よりされています。
受動喫煙も犬の癌の原因になります。
次に、受動喫煙もガンの原因とされており、1997年の調査においては、受動喫煙をしている犬の方が鼻腔ガンが発生しやすいと報告されています。
また、マズルの長さが短いか中程度くらいの長さの犬においては、鼻腔による空気清浄化作用が弱まるので、受動喫煙によってガンを発症する確率が高くなるとされています。
その他、骨折やアスベスト、ストレス等も犬のガンの原因と考えられています。
ストレスにおいては、引っ越し、結婚や出産等による新しいメンバーの登場等もストレス要因となり得るとのことなので、このような状況の変化があった場合にはペットの状態を注意してみるようにしましょう。