乳がん検査・検診の費用や種類、方法は?
超重要!乳がん検査・検診で早期発見しよう
「乳がん」は毎年約5万人が新たに罹患している、がん全体の中で、女性の患者数が多いがんの第1位となっています。割合でいうと、日本人女性の約14人に1人がかかる計算となりますが、「乳がん」がまだ小さいうちに早期発見することができれば、手術の傷跡が小さくてすみ、乳房も温存できるという、比較的治癒率の高いがんとなっています。
したがって、「乳がん」が初期段階のうちに適正な検査・検診を受け、早期発見に努めることが重要です。
「乳がん」の代表的な検査方法には、次のようなものがあります。
オーソドックスな「視触診」
「視触診」は医師による視診・触診です。
まず、目視によって、乳房にくぼみや引き攣れが無いかを確認します。
次に、直接手で乳房に触り、乳頭から血性の分泌物が出ないか・リンパは腫れていないか・しこりがないか等を診察します。
「マンモグラフィ検査」の場合は?
「マンモグラフィ検査」は乳房専用のX線検査装置による検査です。
乳房を2枚の板で挟んで平らな状態にし、X線を照射することで、まだしこりになる前の小さな「乳がん」を発見することができ、画像ではそのような小さな「乳がん」が白く写し出されます。
「マンモグラフィ検査」は「乳がん」の早期発見に有効であり、「乳がん」検診の中でも信頼できる検査方法だといわれていますが、被検者の年齢が若く、乳腺の密度が高い場合においては、がんと正常な細胞の見分けがしにくいという特性もあります。
検査費用の目安は約5,000~8,000円程度となり、「乳がん」の症状があらわれていて医療機関を受診した場合には保険適用となりますが、自己負担の検診となるのが一般的です。
「超音波(エコー)検査」の場合は?
「超音波(エコー)検査」は、高い周波数の音波を乳房に照射することによって、乳房内部の様子を白黒の画像として描き出す検査となっています。
具体的な検査方法としては乳房に特殊なジェルを塗り、そこに超音波をあてて、モニターで画像を確認します。
「マンモグラフィ検査」が前述のとおり、若い女性(20歳後半くらいまで)のがんと正常な細胞の識別がしにくいことから、「超音波(エコー)検査」はその年代の女性の検査の主流となっています。
また、「超音波(エコー)検査」は「マンモグラフィ検査」と違い、X線を使用していないことから、放射線被ばくの心配が無いため、妊娠中の女性の検診におすすめです。
検査費用の目安は約3,000~6,000円程度であり、「マンモグラフィ検査」と同じく、自己負担の検診となるのが一般的です。
放射線の被ばくの心配は・・・・?
ちなみに「マンモグラフィ検査」によってあびる放射線の実効線量は0.05~0.15ミリシーベルト程度となっており、日本とヨーロッパをジェット機で往復した際の被ばく線量(約0.1ミリシーベルト)と同程度となっています。
従って、現在では、2年に1回程度の検査であれば気にするほどではない線量であるとの見解がされており、厚生労働省も40歳代の女性からの「マンモグラフィ検査」の受診を推奨しています。
「CT検査」や「MRI検査」で精密検査
また、「マンモグラフィ検査」や「超音波(エコー)検査」によって「乳がん」の疑いがあった場合には、精密検査として、「CT検査」や「MRI検査」を受けることになります。
「CT検査」ではX線を、「MRI検査」では磁場を用いて検査し、画像上で人体を輪切りにして検査します。
画像によって、「乳がん」の正確な位置や、腫瘍の広がりを把握することができます。
「乳がん」の検診は「マンモグラフィ検査」や「超音波(エコー)検査」のどちらか一方だけでも受けられますが、両方を同時に受けることも可能で、その際は「乳がん」の発見率がさらに上昇します。
両方の検査を同時に受けた場合の検査費用は約7,000~12,000円程度で、医療機関によって違いがあります。
また、前述のとおり、厚生労働省が「乳がん」検査を推奨していることから、市町村等の自治体でも「乳がん」検診が行われており、その際は検査料金が割引となります。
一度、自分の住んでいる自治体に問い合わせてみると良いと思います。