悪性リンパ腫の初期症状は?気になるチェック項目
身体全体の部位で「悪性リンパ腫」が発生する可能性があるといえます。
人間の血液中には、出血を止める働きがある血小板、酸素を運搬する赤血球、免疫機能をつかさどっている白血球やリンパ球等のいろいろな血液細胞が存在しています。
「悪性リンパ腫」とは、この血液細胞のうち、白血球中のリンパ球ががん化してしまう、血液のがんの1つとなっています。
「悪性リンパ腫」はリンパ外臓器(節外臓器)とリンパ系組織の2つの部位から主に発生しています。
皮膚、肝臓、肺、骨盤、甲状腺、腸管、胃等がリンパ外臓器(節外臓器)であり、胸腺、脾臓、扁桃、リンパ節をつなぐリンパ管やその中を流れるリンパ液等の細菌やウイルス等の病原体を排除する機能がある免疫システムの一部がリンパ系組織です。
このようにリンパ系の臓器や組織は全身に存在しているため、身体全体の部位で「悪性リンパ腫」が発生する可能性があるといえます。
「悪性リンパ腫」は、そのがん細胞の性質や形態等によって、約30種類以上に細かく分類されています。
その中で発症の多い種類が「ホジキンリンパ腫」と「非ホジキンリンパ腫」の2つで、日本で発生している「悪性リンパ腫」のほとんどが「非ホジキンリンパ腫」となっており、「ホジキンリンパ腫」は「悪性リンパ腫」全体の約5~10%程度を占めるにとどまっています。
「悪性リンパ腫」は、血液のがんであるため、血液が全身を巡っていることから、全身に様々な症状があらわれます。
その中で最も多い症状とされているのが、リンパ節の腫れ・しこりであり、全身のいろいろな部位に存在しているリンパ節のうち、腫れやしこりの発生する頻度が高いのは首やわきの下、股の付け根のリンパ節となっています。
「悪性リンパ腫」の腫れやしこりは、痛みを伴わないことが多いというところが特徴的となっており、そのため、異常に気付かずに病気が進行してしまうというケースも多くなっています。
また、全身倦怠感・かゆみ・寝汗・体重減少といった全身症状があらわれることも多くなっています。
風等の症状として、リンパ節の腫れが発生するというケースも多いのですが、身体の数か所にリンパ節の腫れがある、痛みのないしこりがある、数週間ずっとリンパ節の腫れが続いているという場合には、一度専門の医療機関を受診することをおすすめします。
また、「悪性リンパ腫」は、前述の通り「ホジキンリンパ腫」と「非ホジキンリンパ腫」の2つに大きく分けることができ、それぞれにおいて初期症状の特徴にも違いがあります。
「ホジキンリンパ腫」では、主に頸部リンパ節にしこりが発生することが多くなっており、その他では鼠径部、わきの下に発生することも多いようです。
この多くの場合において、しこりに痛みを伴うことはありませんが、このしこりは自覚しやすいもののため、この時点で異常を感じて医療機関を受診する方も多いようです。
また、全身の皮膚のかゆみ、38度以上の高熱が出るといった症状を伴うということも特徴的となっています。
しこりが発生するというのが特徴的となっています。
「非ホジキンリンパ腫」においても、同じようにリンパ節にしこりがあらわれますが、リンパ節だけではなく、腹部等のリンパ節以外の部位においても、しこりが発生するというのが特徴的となっています。
その他、骨髄や消化管、皮膚等の組織や臓器にも広がりをみせることがあり、いずれの場合においてもリンパ節が腫大するようになります。
このようなリンパ節以外で発生するリンパ腫は、節外性リンパ腫と呼ばれており、日本人に発生する「悪性リンパ腫」の約40%ほどを占めているといわれています。
上記の中で気になる症状があったら医療機関での受診をおすすめしますが、「悪性リンパ腫」の受診では医療機関のどの科を受診すればよいか迷うと思います。
基本的に、リンパ節のみを専門に治療する科というものは存在しないので、血液内科や血液腫瘍内科を受診するようになると思います。
ただ、このような科も小さい病院では無い場合もありますので、その場合はまず内科を受診し、「悪性リンパ腫」の疑いが強まったら、大きな病院を紹介してもらうようにしましょう。