直腸がんの初期症状は?気になるチェック項目は?
がんの死亡率からみてみると女性では第1位、男性では第4位
人間の大腸は食物が消化吸収された残りの腸内容物をため、水分を吸収して大便にする器官であり、盲腸・結腸・直腸・肛門の4つの器官で構成されています。
そんな大腸の中でも直腸に発生したがんを「直腸がん」と呼んでいます。
日本で新たに大腸がんになる患者は年間約6万人いますが、その大腸がんの約5分の2が「直腸がん」患者となっています。
大腸がんは、すべてのがんの死亡率からみてみると、女性では第1位となっており、男性では肺がん、胃がん、肝がんに次いで第4位となっています。
国際的にみると、まだ死亡率は低いのですが、がん死亡全体に占める割合は増え続けていて、10年後には年間7万人に達するといわれており、まだまだ増加が懸念されています。
そのように死亡者が増加傾向にあるがんのため、初期症状をきちんと理解し、早期発見に努めるのが大切です。
「直腸がん」の代表的な初期症状は下血(肛門からの出血)
「直腸がん」の代表的な初期症状は下血(肛門からの出血)であり、比較的初期症状がわかりやすいがんといえると思います。
がんの腫瘍の表面組織はもろく、血管も豊富であるため、便が通過する際のちょっとした刺激でも出血します。
ただ、肛門からの出血は痔でもあらわれる症状のため、痔によるものだと軽く捉えられて見過ごされてしまったり、便のことに関する症状ということで、恥ずかしさで病院等に行きづらい等の理由から、結果的にがんの発見が遅れるケースもあります。
肛門から出血したり、便に血が混じるということは、何らかの異常があることはあきらかなので、このような症状があらわれた際には、速やかに医師の診察を受けるようにしましょう。
その他の初期症状は?
また、肛門からの出血等、「直腸がん」からの出血がある程度の期間続いていると、貧血の症状があらわれてくることがあります。
貧血の具体的な症状としては、全身倦怠感やめまい、ふらつき、さらに顔色や下まぶたの裏が白っぽくなるということもあらわれてきます。
また、健康診断で血液検査を毎年受けているならば、ヘマクリット(Ht)と赤血球数、ヘモグロビン(Hb)の数値のここ数年の推移を確認し、これらの数値が急速に下がっている場合は、医師の診察を受けるようにしたほうが良いと思います。
その他の「直腸がん」の自覚症状としては、下記のようなものがあります。
- いつも残便感があり、何度もトイレに行きたくなる。
- 便の形が細くなったり、平たくなったりする。
- 腹部(お腹)に張りがある。
- 下痢や便秘を繰り返す。「しぶり腹」と呼ばれる下痢を起こしたり、頑固な便秘になったりする。
- 食欲がなく、その影響によって体重が減少する。
ただ、このような症状が発生している時には、既にある程度までがんが進行してしまっているケースも少なくありません。
そのような事にならないように、自分の便の症状を日頃から観察しておくようにし、50歳を過ぎたら毎年必ず、検診等での便潜血検査を受けるようにして、「直腸がん」を早期発見できるように努めましょう。