胆道がんの初期症状は?気になるチェック項目は?
黄疸の症状が出たら要注意!
人間の体内の肝臓と十二指腸の間にある管と袋のことを胆道といい、その管のことを胆管、袋のことを胆のうといい、この胆管に発生するがんを「胆管がん」、胆のうに発生するがんを「胆のうがん」と呼びます。
そして、この「胆管がん」と「胆のうがん」を合わせて、「胆道がん」と呼んでいます。
日本での「胆道がん」の死亡者数は、男性が約8,900人、女性が約9,300人であり、がん死亡者全体でみると、男性が約4%、女性が約6%を占めている状況です。(2013年のデータ)
また、「胆道がん」の罹患率を国際的に比較してみると、日本人は他の東アジアの国々やアメリカの日経移民、欧米人等と比べて高い傾向にあります。
そのため、「胆道がん」を身近ながんと認識し、その初期症状を理解しておくことが重要です。
黄疸の症状ががんの初期段階でも発生しやすいという特徴
「胆管がん」の場合、胆管は細い管のため、がんの腫瘍が小さなものでも、その腫瘍の影響を受けやすく、すぐにそこに流れている胆汁の流れが悪くなってしまいます。
従って、黄疸の症状ががんの初期段階でも発生しやすいという特徴があります。
「胆のうがん」の場合では、がんの初期段階では自覚症状が無いケースが多く、がんが進行してから発見されるということも少なくありません。
みぞおちあたりに痛みが出てくるということもあるのですが、これは「胆石症」を併発していたり、胆のうが炎症を起こしていたりして発生している症状だったりします。
がんの発症例の約9割が黄疸によって発見される
「胆道がん」の初期症状として多いのが、前述した黄疸であり、がんの発症例の約9割が黄疸によって発見されるといわれています。
がんによって胆管が塞がれてしまうと、肝臓から排出された胆汁が流れなくなり、肝臓内にたまってしまい、血液を通じて胆汁の黄色い色素が全身にまわって、それが黄疸の症状となってあらわれます。
その際には、口の中にある粘膜、皮膚や眼球の白目の部分が黄色くなり、それと同時に尿が濃い褐色に変わり、便が灰白色に変わってきます。
その他の「胆道がん」と疑われる症状には下記のようなものがあります。
腹痛…
特に右わき腹あたりに疼くような痛みがあらわれることがあります。
発熱…
胆汁が細菌に感染してしまった場合、発熱の症状があらわれることがあります。
体重が落ちる…
がんの影響により食欲が低下するので、体重が次第に落ちてきます。
腫瘤触知…
がんによって胆のう管が閉塞すると、右腹部皮下にある胆のうが腫れてしまって肥大化するので、触れることができるようになる場合があります。
「胆道がん」は前述の通り、初期段階では自覚症状がないことが多いため、これらの症状が発生した時には、がんが既にかなり進行していることも少なくありません。
症状が確認できた時は速やかに専門の医療機関を受診するようにしましょう。
また、普段から自分の身体を観察し、正常な状態をよく知っておくことで、何か少しでも異常があったら、すぐに察知できるように心がけておくことも大切です。