マンモグラフィーで再検査になり乳癌発覚。【体験ブログ】
母は毎年欠かさず人間ドックを受けてきました。
50代後半に一度、マンモグラフィーで気になる部分があるということで、超音波検査を追加で受けることになり、結果としては水が溜まっているということがありました。
60歳の時、またマンモグラフィーで引っかかり、超音波検査をしたところ、細胞を生検に出すことになって、どうやら、がん細胞らしいということになりました。
自分ではしこりは分からず、病院で指摘されて、ようやく存在に気付いたようです。
10年以上前のことで、当時はまだガンを公表する芸能人も少なかったので、私達家族はかなり驚きました。
でも、周りが心配すれば本人もつらいだろうと思い、なるべく平常を心がけ、手術を受けることになりました。
すごく怖がっていましたが、全身麻酔でまな板のコイになったつもりと言って、いさぎよく入院しました。
手術日には多くの親戚が集まり、手術は1時間でリンパ節への転移はなく、無事に終わりました。
手術後2時間ほどして麻酔が覚め、一度目を開け、また眠っていました。
4日間の入院で、手術翌日から自分で病院の売店に行くほど元気でした。
その後は通院で、抗がん剤投与と放射線照射が始まりました。
話には聞いていましたが、朝、起きると枕にびっしり髪の毛が落ちてしまい、結構ショックだったようです。
髪の毛だけでなく、まゆ毛やまつ毛も抜けてきました。
元気ではありましたが、人前に出る自信をなくし、当時通っていた合唱サークルは親の介護ということで、しばらく休むことにしたそうです。
家では、図書館で借りた本を読んだり、レンタルショップで借りたDVDを見たりして過ごしました。
一応、部分かつらを買い、それを被って、病院と買い物は行っていました。家の中ではタオルを巻いていました。
味覚がかなり変わってしまい、味が濃いものでないと分かりにくいようで、和食派だったのですが、スパゲッティナポリタンなど洋食を好むようになりました。
1年ほどで治療は終わり、後は定期的な検診で再発していないかの確認だけになりました。
抗がん剤が終わった半年ほどから髪の毛が生え出し、最初は縮れ毛のようでしたが、1年後にはすっかり元通りになりました。
検査は手術後から10年続き、先日、ようやく終わりました。
ほっとしたのもつかの間、傷口が傷むというので、診察を受けたら、どうやら腰に巻いたコルセットが当たってしまっていたようでした。
母は、昔から風邪引いても熱が出て寝込むほどひどくなったことがない、とても健康的な人でした。
なぜ乳がんになってしまったのか、本当に不思議でした。
ある日、私が肺がん検診を受ける時に親の罹患歴を答えていたら、受動喫煙が原因で乳がんになることがあると言われました。
喫煙と言えば、肺がんになりやすいと思っていたら、どういうわけか乳がんになることがあるそうです。
うちは父が喫煙者で、いくら言っても聞かず、家の中で吸っていました。
なんだか、ものすごく悲しくなりました。母は、父と一緒でなければ乳がんにならなかったのかもと思いました。
思い切って、それを母に話しましたけど、母自身はあっけらかんとしていました。
乳がんを乗り越えるのはものすごく大変だったと思いますが、父を責める気にはならないようです。