胆道癌 手術 検査

体内に肝細胞がん等の腫瘍細胞が発生すると産生される腫瘍マーカー

「AFP」は、胎児期の胎児で産生され、血清中にみられるたんぱく質の一種であり、健康な成人では産生されないもので、「α-フェトプロテイン」とも呼ばれています。

この「AFP」は生体内の様々な物質の輸送や脂肪酸の代謝に関係しており、胎児の卵黄嚢や肝細胞で産生される胎児期特有の血清蛋白であることから、生後8~10ヶ月でこの「AFP」は消滅してしまい、健常小児・成人には10[ng/ml]以下の極めて低濃度でしか存在していません。

そのような「AFP」ですが、体内に肝細胞がん等の腫瘍細胞が発生すると産生されて、血液中に分泌されることから、肝臓がんの腫瘍マーカーとして用いられています。

「AFP」の検査は、一般的に生化学検査であるAST(GOT)やALT(GPT)と共に行われます。

「AFP」の検査は、一般的に生化学検査であるAST(GOT)やALT(GPT)と共に行われ、肝臓がんのスクリーニングや経過観察、治療効果の判定および予後判定に有用とされています。

また、「AFP」値は、転移性の肝臓がんでも高値を示すことがあります。

ただ、肝硬変、慢性肝炎、急性肝炎等の良性肝疾患でも高い値が出てしまうことがあり、それ以外では、乳児性の肝炎、胚芽腫においてはかなりの確率で陽性反応が出ることがあります。

「AFP」濃度が400[ng/ml]を超えると肝細胞がんの可能性が高い

AbelevおよびTatarinovが、肝細胞癌において、血液中の「AFP」が増量することを見出して以来、「AFP」の腫瘍マーカーとしての有用性は高く評価されており、血液中の「AFP」濃度が400[ng/ml]を超えるケースにおいては、肝細胞がんの可能性が極めて高いとされています。

また、「AFP」の値が上昇する良性疾患は、肝疾患であるケースが多くなっており、肝硬変で中等度(~400[ng/ml])、慢性肝炎で軽度(~100[ng/ml])の「AFP」値の上昇がありますが、これらは肝細胞が壊死した後の肝再生の働きによるものと推測されています。

また、胎児が産生した「AFP」は、妊娠後期においては、母体中にも検出されるようになります。

さらに、肝硬変やヨークサック腫瘍由来の「AFP」と、原発性肝細胞癌由来の「AFP」の各糖鎖構造の相違は、レクチン親和性の差から鑑別することが可能となっています。

肝臓がんの中でも、「AFP」が陽性を示さないというケースもあるのですが、「AFP」が確認された肝臓がんにおいては、がんの治療の効果があれば、その「AFP」の数値は下がるので、がん治療の経過観察や、がんの再発に対する早期発見のためにも欠かせない検査となっています。

また、肝炎(慢性肝炎憎悪期や劇症肝炎)や肝硬変で、肝細胞の壊死が強いケースにおいては、「AFP」が陽性となることもありますが、その「AFP」の数値上昇度は数倍以内となっており、経時的に上昇するということも稀です。

肝臓がん以外のがんである、大腸がん、胆道がん、膵臓がんや胃がん等においても、「AFP」が陽性を示す場合がありますが、肝臓がんほど高い値が出るということはありません。

したがって、「AFP」の値が基準値以上を示したら、まず第一に肝臓がんを疑い、その診断の正確性を確認するために、肝臓がんで陽性を示す他の腫瘍マーカー(PIVKA-Ⅱ)を測定したりします。

その後、腹部CT検査や腹部超音波検査を行って、がんの腫瘍の存在を確認するようになります。

肝臓がんの多くは肝硬変から移行することが多く、特にC型肝炎ウイルス陽性者は肝臓がんを発症するリスクが非常に高くなります。

定期的に「AFP」の値をチェックし、基準値を上回るようなら精密検査を

そのため、肝硬変の経過観察において定期的(6ヵ月ごとが多い)に「AFP」の値をチェックし、基準値を上回るようなら精密検査を行います。

その一方で、「AFP」の値が高いのに肝硬変や肝臓がんも認められないときは、ほかの臓器の悪性腫瘍の影響によるものである可能性が考えられるので、それらの精密検査も必要となります。

どちらにしても「AFP」検査結果が適正範囲より大きく乖離している場合は、何らかの疾患の可能性がありますので、専門の医療機関を受診して、その原因を突き止めるようにしましょう。




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