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すい臓がん検査の費用や種類、方法は?
8割以上が60~80歳代という、高齢者に多いすい臓がん患者
膵臓に発生した悪性腫瘍のことを「すい臓がん」といいますが、初期症状に乏しく早期発見が難しい上に、悪性度が高く、予後も悪い傾向にあるため、「がんの王様」という別名がついてしまっています。
日本で新たに「すい臓がん」にかかる人は、年間約25,000人ほどであり、年齢別でみると全体の8割以上が60~80歳代という、高齢者に多くなっています。
「すい臓がん」は、以前までは男性に多いがんとされてきましたが、年々女性にも多くなってきており、現在では男女による大きな差はみられなくなっており、近年の日本人のがんによる死因では、がん全体の中で、男性5位、女性4位とほぼ同じくらいとなっている状態で、また、患者も年々増加傾向にあります。
このように、悪性度が高く、患者も増加してきているがんのため、適正な検査を定期的に受けることによって、がんを早期発見することが、とても重要となります。
「すい臓がん」の検査には次のようなものがあります。
「血液検査」
「血液検査」では、「すい臓がん」の初期検査として、がん細胞が産出する特殊な物質の有無を調べる「腫瘍マーカー」のほか、すい臓の酵素の数値が正常かどうかを見たり、黄疸の有無を調べたりします。
ただ、この検査だけでは、必ずしも早期に「すい臓がん」を発見できるとは限りません。
「腹部超音波(エコー)検査」
「腹部超音波(エコー)検査」は、漠然とした消化器症状がある方や、「血液検査」で何かしら数値に異常が確認された方に実施されます。
プロープという器具を使用して、体の外から簡単に内部の様子を見ることができるので、患者の負担も少なく、非常に安全な検査といえます。
ただし、すい臓は他の臓器に隠れて見えにくい部分があり、超音波の画像は鮮明ではないため、がんの小さな腫瘍は発見することが難しい等のデメリットもあります。
「CT検査」
「CT検査」は「腹部超音波検査」で異常が疑われる場合等に行われる検査で、X線で体の内部を描き出し、がんの転移の有無、病変の状態や周辺の臓器へのがんの広がり等を調べることができます。
「MRI検査」
「MRI検査」は、「CT検査」や「腹部超音波(エコー)検査」等の所見から診断まで至らない場合に用いられる検査の1つであり、「MRI検査」では磁気を使用して体の内部の様子を描き出します。
「超音波内視鏡検査(EUS)」
「超音波内視鏡検査(EUS)」は、超音波装置の付いた内視鏡を体内に挿入して、十二指腸や胃の中から、すい臓等の臓器に超音波をあてることによって、病変の状態や周囲への広がり等をみることができる検査であり、体外からの超音波検査と比較して、より詳細な観察が可能です。
その他の検査方法は??
「内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)」は、口から挿入した内視鏡の先端を十二指腸に留めておき、膵管と胆管の出口にカテーテルと呼ばれる細い管を入れて造影剤を流し込み、膵管や胆管の形をX線撮影で調べる検査となっています。黄疸の症状がある時は、内視鏡的胆道ドレナージ(EBD)と呼ばれる治療が行われることもありますが、すい炎等の合併症を起こす危険性もあります。
「MR胆管膵管撮影(MRCP)」は、MRIを使用して膵管や胆管の状態を調べることができる検査で、内視鏡や造影剤を使用せずに、ERCPの画像を得られ、患者の負担が少なくなることから、ERCPの代用としてMRCPを実施するということが増えてきています。
「PET検査」は、放射性フッ素を付加したブドウ糖液を注射し、その取り込み具合の分布を撮影することで、全身のがん細胞を検出する検査となっています。
この検査は「すい臓がん」手術後の再発診断や、すい炎と「すい臓がん」の鑑別に使用されることが多く、「すい臓がん」の早期の診断にはあまり向いていません。
「すい臓がん」の検査費用はだいたいどのくらい??
「すい臓がん」の検査費用は、普通の血液検査で約3,000円くらいのようですが、それぞれの医療機関によって金額にバラつきがあるようです。
また、血液検査で異常が見つかった場合、「腹部超音波(エコー)検査」や「CT検査」等の精密検査に進みますが、こちらも金額にバラつきがあり、約15,000~30,000円程度の金額がかかるようです。
「すい臓がん」は、がんができても自覚できる症状の少ない「沈黙の臓器」であるすい臓に発生し、悪性度が高く予後が悪いことから、「がんの王様」と呼ばれています。
したがって、がんを早期に発見し、適切な治療を受けることが非常に重要となります。
定期的に検査を受け、「すい臓がん」の早期発見に努めるようにしましょう。