ペメトレキセド(アリムタ)とは?効果・副作用は?



抗がん剤 治療 副作用

葉酸代謝拮抗剤ペメトレキセド(アリムタ)

ペメトレキセド(アリムタ)とは、分子構造のよく似た葉酸の代謝を阻害することで細胞に損害を与える葉酸代謝拮抗剤であり、抗がん剤の一種です。

ペメトレキセド(アリムタ)は、日本イーライリリー株式会社から点滴薬として販売されており、アリムタはその商品名となります。

ペメトレキセドは、海外では手術不可能な中皮腫の標準治療に、シスプラチンとの併用治療が活用されています。

日本においてもペメトレキセドは、2007年1月に、アスベストの影響による中皮腫が社会問題化したのをきっかけに承認されました。

ペメトレキセドは、悪性胸膜中皮腫や非小細胞肺がんなどの治療に用いられていますが、悪性胸膜中皮腫の患者に有効性が世界で初めて認められた薬とされています。

ペメトレキセド(アリムタ)の効果効能は?

人間の正常な細胞は、勝手に細胞増殖が行われてしまうと臓器の肥大化につながり、機能不全に陥ってしまうため、あまり細胞増殖を行わず、ある程度の大きさまで成長すると細胞増殖をストップさせます。

しかし、がん細胞においてはこのような制御機能が壊れてしまっているため、無秩序な増殖を繰り返すので、抗がん剤はこのような増殖スピードの速い細胞に毒性を与えるという細胞毒性の働きによって、がんを治療しようとします。

細胞増殖を行うためには、DNAの複製が必要になり、DNA合成が阻害されると細胞分裂は止まるので、抗がん剤はこのDNA合成を抑えるように作用します。

DNAを合成するためには葉酸と呼ばれる物質が必要であり、葉酸は食物から摂取された後、身体の中で代謝されてDNAの合成に関わるようになります。

このような葉酸の活性化には酵素が関係しています。

この酵素はジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)と呼ばれており、葉酸の活性化に対して大きな役割を果たしています。

そのため、このジヒドロ葉酸レダクターゼの働きを阻害すれば、葉酸の活性化が進まなくなり、その結果、DNA合成を抑制できるようになります。

また、このジヒドロ葉酸レダクターゼ以外にも葉酸の代謝に関わる酵素は他にもあり、チキジル酸シンターゼ(TS)やグリシンアミドリボヌクレオチドホルミルトランスフェラーゼ(GARFT)などの酵素が知られています。

ペメトレキセドは、これらの複数の葉酸代謝を行う酵素の働きを阻害する働きを持っているため、この働きによってDNA合成を阻害することができます。

ペメトレキセドの代表的な副作用は?

ペメトレキセドの代表的な副作用としては、骨髄抑制、消化器症状、皮膚症状等が発生します。

このような副作用の症状を軽減させるため、ペメトレキセドによる治療を開始する際には、その治療開始する7日以上前から、葉酸とビタミンB12の投与が必要となります。

また、皮膚症状の中でも、発疹等の症状を抑えるという目的で、ペメトレキセドによる治療を開始する前にデキサメタゾンというステロイド薬が使用されるということもあります。

さらに、ペメトレキセドの副作用として、脱毛や発熱の症状が発生する可能性もあります。

また、シスプラチンとの併用療法を実施している場合では、ペメトレキセドだけではなく、シスプラチンの副作用にも注意しなければいけません。

その他、ペメトレキセドは腎臓で代謝される薬であるため、患者の腎機能が低下しているケースでは、ペメトレキセドの投与は慎重に行われ、投与後の経過観察も慎重に行われるようになります。

また、ペメトレキセドには催奇形性があることが確認されています。そのため、妊婦の患者への投与は禁止となっていますので、注意するようにしましょう。

【まとめ一覧】代謝拮抗剤

メトトレキサート(メソトレキセート)
>>急性および慢性白血病等に使用される代謝拮抗剤

メルカプトプリン(ロイケリン)
>>急急性リンパ性白血病の寛解後に使われる代謝拮抗剤

ペメトレキセド(アリムタ)
>>分子構造のよく似た葉酸の代謝を阻害することで細胞に損害を与える葉酸代謝拮抗剤

ペントスタチン(コホリン)
>>多くのリンパ系の腫瘍に効果がある代謝拮抗剤

フルダラビン(フルダラ)
>>多く血病やリンパ腫等の血液腫瘍の治療に用いられる代謝拮抗剤

フルオロウラシル(5-FU、カルゾナール、ベンナン、ルナコール、ルナボン)
>>多主に大腸がんの化学療法において中心的な役割を果たす抗がん剤

ヒドロキシカルバミド(ハイドレア)
>>白血病やメラノーマの治療に使用されてきた抗がん剤

ネララビン(アラノンジー)
>>再発または難治性のT細胞急性リンパ性白血病に使用されてきた抗がん剤

ドキシフルリジン(フルツロン)
>>日本では、胃がん、結腸・直腸がん、乳がんの治療薬として1987年に承認された抗がん剤

テガフール・ウラシル(ユーエフティ)
>>頭頸部がんや消化器系のがんに広く使用されている抗がん剤

テガフール(アチロン、アフトフール、テフシール、フトラフール、ルナシン)
>>代謝拮抗剤に分類されるフルオロウラシル系の抗がん剤

シタラビンオクホスファート(スタラシド)
>>骨髄性異形成症候群や急性骨髄性白血病に対する治療に適した抗がん剤

シタラビン(キロサイド)
>>代謝拮抗薬の中でもピリミジン拮抗薬に分類される抗がん剤

クラドリビン(ロイスタチン)
>>リンパ系腫瘍に治療効果のある抗がん剤

カルモフール(ミフロール)
>>大腸がん、胃がん、乳がんに対する有効性がある代謝拮抗薬

エノシタビン(サンラビン)
>>急性白血病の治療に使用される代謝拮抗薬

ゲムシタビン(ジェムザール)
>>がん細胞を自死(アポトーシス)に導く抗がん剤

テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム(TS-1)
>>胃がん、大腸がん(結腸・直腸がん)、頭頸部がん、非小細胞肺がん、乳がん、膵がん、胆道がんと幅広いがんに対して適応となっている薬剤




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