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骨髄性異形成症候群や急性骨髄性白血病に対する治療に適したシタラビンオクホスファート

シタラビンオクホスファート(スタラシド)とは、代謝拮抗剤の一種であり、この薬は、体内に入った後に活性化し、その後、薬効を生み出すプロドラッグとなっています。
プロドラッグとは、投与時のそのままの状態では、明らかに活性の低い形態や不活性の形態である医薬品の事を指し、このプロドラッグを投与すると、生体の代謝作用を受けることによって活性化代謝物に変化するため、薬効を発揮するようになります。

シタラビンオクホスファートの効果・効能は?

シタラビンオクホスファートは、抗がん剤のシタラビンのプロドラッグであることから、内服後は、肝臓による代謝によって、有効成分のシタラビンに変化します。

シタラビンは投与後、早い段階で分解されやすいという性質を持っています。

しかし、シタラビンオクホスファートは代謝作用を受けてから徐々にシタラビンに変化していくため、その効果が長時間持続するようになります。
シタラビンオクホスファートは、骨髄性異形成症候群や急性骨髄性白血病に対する治療に適応となっています。

シタラビンオクホスファートの作用機序としては、シタラビンと同様であり、遺伝子の複製に必要な酵素であるDNAポリメラーゼの作用を阻害します。

そして、DNAの材料となる分子に成り代わってDNA合成を妨げることによって、がん細胞の増殖や分裂を阻止します。シタラビンオクホスファートのの有効性としては、患者の年齢が60歳以上という場合においても、有効性が認められるという症例の報告があります。

しかし、シタラビンオクホスファートによる治療によって延命率が高まったかどうかということについては明らかになっていません。

シタラビンオクホスファートを投与した際の代表的な副作用は?

シタラビンオクホスファートを投与した際の代表的な副作用としては、骨髄抑制の症状が顕著にみられます。
そのため、白血球が減少し、感染症が発生しやすくなってしまいます。
また、赤血球の減少によって、貧血が起こりやすくなったり、血小板が減少して、すぐに出血してしまうようになることあるので、これらの症状には十分に注意する必要があります。

また、間質性肺炎が発症するということもあります。

そのため、間質性肺炎の初期の症状である、息切れ、痰をともなわない咳等の症状が発生した場合は、すぐに担当の医師に報告し、適切な処置を行う必要があります。

さらに、消化器系の副作用の症状として、口内炎、嘔吐、吐き気等の症状が発生する場合もあります。

その他には、倦怠感、発疹、脱毛、腎機能低下、肝機能低下等の症状が発生するケースもあるようです。

これらのシタラビンオクホスファートの副作用の実際の発現率としては、総症例708例において、55.7%であったそうです。

その副作用の中で主なものとしては、血小板減少19.1%、白血球減少18.2%、食欲不振18.2%、嘔吐・悪心14.1%、ヘモグロビン減少12.4%、赤血球減少12.3%、発熱9.5%、AST上昇9.0%、ALT上昇9.0%、倦怠感8.5%、LDH上昇8.5%等であったようです。

シタラビンオクホスファートの使用上の注意点としては、2~3週間連日服用しないとこの抗がん剤の治療効果はあらわれないという点があります。
そのため、白血病の寛解導入療法等の強力な治療効果を早急に得たいという場合においては、シタラビンオクホスファートの服用は避け、寛解導入療法を優先するようになります。

また、前述の通り、重篤な副作用が発生する可能性があるため、シタラビンオクホスファートを使用している際には肝機能検査、腎機能検査、血液検査を頻繁に受ける必要があります。

さらに、シタラビンオクホスファートを小児や生殖可能な年齢で使用した場合、性腺に悪影響が出る恐れがあります。

そのため、将来子どもがほしいと思っている方は、担当医と相談してからシタラビンオクホスファートを使用するようにしましょう。

最後に、シタラビンオクホスファートは動物実験において、催奇形性が報告されています。

そのため、妊婦には原則として投与することができません。
やむを得ずに投与する場合においても、授乳は中止するようにしましょう。

【まとめ一覧】代謝拮抗剤

メトトレキサート(メソトレキセート)
>>急性および慢性白血病等に使用される代謝拮抗剤

メルカプトプリン(ロイケリン)
>>急急性リンパ性白血病の寛解後に使われる代謝拮抗剤

ペメトレキセド(アリムタ)
>>分子構造のよく似た葉酸の代謝を阻害することで細胞に損害を与える葉酸代謝拮抗剤

ペントスタチン(コホリン)
>>多くのリンパ系の腫瘍に効果がある代謝拮抗剤

フルダラビン(フルダラ)
>>多く血病やリンパ腫等の血液腫瘍の治療に用いられる代謝拮抗剤

フルオロウラシル(5-FU、カルゾナール、ベンナン、ルナコール、ルナボン)
>>多主に大腸がんの化学療法において中心的な役割を果たす抗がん剤

ヒドロキシカルバミド(ハイドレア)
>>白血病やメラノーマの治療に使用されてきた抗がん剤

ネララビン(アラノンジー)
>>再発または難治性のT細胞急性リンパ性白血病に使用されてきた抗がん剤

ドキシフルリジン(フルツロン)
>>日本では、胃がん、結腸・直腸がん、乳がんの治療薬として1987年に承認された抗がん剤

テガフール・ウラシル(ユーエフティ)
>>頭頸部がんや消化器系のがんに広く使用されている抗がん剤

テガフール(アチロン、アフトフール、テフシール、フトラフール、ルナシン)
>>代謝拮抗剤に分類されるフルオロウラシル系の抗がん剤

シタラビンオクホスファート(スタラシド)
>>骨髄性異形成症候群や急性骨髄性白血病に対する治療に適した抗がん剤

シタラビン(キロサイド)
>>代謝拮抗薬の中でもピリミジン拮抗薬に分類される抗がん剤

クラドリビン(ロイスタチン)
>>リンパ系腫瘍に治療効果のある抗がん剤

カルモフール(ミフロール)
>>大腸がん、胃がん、乳がんに対する有効性がある代謝拮抗薬

エノシタビン(サンラビン)
>>急性白血病の治療に使用される代謝拮抗薬

ゲムシタビン(ジェムザール)
>>がん細胞を自死(アポトーシス)に導く抗がん剤

テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム(TS-1)
>>胃がん、大腸がん(結腸・直腸がん)、頭頸部がん、非小細胞肺がん、乳がん、膵がん、胆道がんと幅広いがんに対して適応となっている薬剤




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