胃がん検査の費用や種類、方法は?
「胃X線検査」と「胃内視鏡検査」で胃癌を早期発見しよう!
「胃がん」は日本での全悪性新生物中の死亡率が、現在においても増加し続けており、その死亡率は、肺がんに次いで第2位となっています。
その発症傾向としては、女性より男性のほうが2倍の頻度で発症する、55歳以上の人に多く発症する等がありますが、その発症原因と予防法については、未だにはっきりと確立されていないのが現状です。
そのため、今のところ、「胃がん」を早期に発見し、早期の治療を行うということしか対策がありません。
早期発見のための胃の検査として、まずは、「胃X線検査」と「胃内視鏡検査」が挙げられます。
胃の病気には「胃がん」以外にも、胃・十二指腸潰瘍、リンパ腫、慢性胃炎、びらん性胃炎、急性胃炎等がありますが、これらの検査ではそのような病気も発見することができます。
「胃X線検査」とは?検査方法は?
「胃X線検査」は、胃を膨らませる発泡剤と造影剤となるバリウムを飲んで、レントゲン写真を撮り、胃の中の粘膜を観察する検査です。
発泡剤と造影剤を飲んだ後、透視台の上で寝て、いろいろな角度から胃のレントゲン写真を撮影しますが、その際、げっぷを我慢する必要があります。
バリウムは昔からまずい物と思われていますが、現在ではかなり飲みやすいものに変わってきています。
「胃X線検査」は、昔はバリウムのみを飲み、胃の中に腫瘍ができていた場合に、バリウムが腫瘍によって押しのけられること診断に用いていましたが、この方法では腫瘍が大きくなっている場合の病変しか発見できなという欠点がありました。
それを改善させるために生まれたのが、現在採用されている「胃二重造影法」です。
「胃二重造影法」ってどんな検査方法?
現在のようにバリウムと発泡剤を一緒に飲むことにより、胃の中に空気が入って膨らみ、胃の表面にバリウムが付着することから、腫瘍がまだ小さな病変でも、その表面の構造が写し出され、早期の「胃がん」でも発見することが可能となりました。
この「胃二重造影法」によって日本は「胃がん」の分野で世界をリードするようになり、現在の「胃がん」の検診や精密検査になくてはならない存在の検査となっています。
「胃X線検査」の検査時間は約10分程度であり、前処置として、検査前日の午後9時から検査までの絶食が必要です。
また、検査費用は約3,700円(3割負担の場合)となっています。
「胃内視鏡検査」とは?検査方法は?
「胃内視鏡検査」は、口から先端にカメラのついた内視鏡をいれて、胃の中を観察する、一般的に「胃カメラ」と呼ばれている検査です。
身体を横にして休んだ状態で内視鏡を飲みますが、現在では内視鏡自体が昔と比較してのみやすくなっており、さらに、検査時には鎮静剤も使用されるため、検査による苦痛を感じることはありません。
「胃内視鏡検査」は、昔は内視鏡の先端にただのカメラが付いているだけで、毎回シャッターを押して撮影していたため、盲目撮影という状態であり、直接胃の中を観察しながら撮影することができませんでした。
しかし現在では、内視鏡が進化し、先端にCCDカメラという小型のデジタルビデオカメラが取り付けられているため、胃の内部の様子をリアルタイムで観察することが可能となりました。
そのため、胃の中の病変が小さなものでも、医師が直接見て診断することができるため、病変の早期発見率が昔と比較して飛躍的に向上しています。
さらに、現在の内視鏡には生検鉗子という組織を取る道具も付いているため、病変の組織を発見したその場でつまむことができ、そこで良性、悪性の診断をすることができるようになっています。
「胃内視鏡検査」の検査時間、費用は?
「胃内視鏡検査」の検査時間は約10分ですが、検査後に鎮静剤によるふらつき等がなくなるまで、しばらく休憩が必要です。また前処置として、検査前日の午後9時から検査までの絶食が必要です。
さらに、検査費用は約3,500円(3割負担の場合)となっていますが、病理検査を行った場合には、約4,000円が加算されます。
「胃がん」は症状が出たときには、悪化しているケースがほとんどであるため、無症状のうちから検診を習慣にし、早期発見に努めることが治癒の最大のポイントとなります。
自治体が実施する「胃がん」検診では、「胃X線検査」が40歳以上で年に1回受けられるようになっていますので、40歳を迎えたら、誰でも必ず「胃がん」検診を受けるようにしましょう。