9歳の飼い犬が腸腺癌と診断されて。【ペットの癌体験記】
もう5年近く前のことですが、飼い犬が9歳の時に癌になりました。
きっかけは貧血になったことです。
症状はなかったのですが、今思うと便の臭いがちょっと変だったのと、痩せてきたことでした。
でも直前の定期検診でちょっと太り過ぎなのでダイエットするようにと言われたので、痩せてきたことは肯定的にとらえていました。
はじめは貧血の原因がわからず、いろんな検査をしましたが癌は除外されていました。
たぶん血液の病気だろうと。
しかし考えられる病気の治療をしても改善せず、腸にできた癌がかなりの大きさになってきてはじめて癌を疑い生検をしたら腸腺癌と診断されました。
すぐに手術を行い、腸の癌は切除しましたが、かなり進行しているので転移しているのではないかという話でした。
抗癌剤治療を勧められましたが、腸の癌にはあまり有効な抗癌剤がないことと、副作用で食欲がなくなるのもかわいそうに思い抗癌剤治療は受けませんでした。
親しくなった獣医さんに本音を伺ったら、自分のペットだったらたぶんしないだろうとおっしゃっていました。
そのかわりに本などで調べて食事療法をしたり、代替療法を行っている獣医さんに診ていただいたり、できる限りのことはしました。
高額でしたが免疫療法も。活性化リンパ球療法という方法でしたが、これはかなり効いたように思います。
食事療法や代替療法(ホメオパシーなど)は、飼い主の私たちが癒されたというか、これだけやってあげているんだという満足感というか安心感というか、そういうものは得られたように感じました。
今思い出しても、癌に良いという食材を見つけて料理して喜んで食べてくれた姿は闘病生活の中でも楽しい時間でした。
活性化リンパ球療法は、もっと続けたかったのですが薬と違って目に見える効果が得られるわけでもないですし、どちらかというと抗癌剤の副作用を抑えるために併用して用いることが多いようなので数回でやめました。
でもやめるかどうかすごく悩んだのを覚えています。
ペットが病気になった時、どこまで治療をするか、要するに嫌な話ではありますがいくらまでなら治療に使えるか、また回復の見込みがない場合はどこまで延命するのか、診断された時にはそういうことを考えるのも難しいかもしれませんが、よく考えておいた方が良いと実感しました。
家族がいる方だったら、みんなで話し合い意見を一致させておいた方が良いと思います。
何の病気かわからないけれど弱っていってということが多かったような気がします。
ペット医療も本当に進歩し、子供の頃から犬をずっと飼っていましたが以前は検査などもあまりせず、何の病気かわからないけれど弱っていってということが多かったような気がします。
言い方は悪いですが今はキリがないです。延命もかなりできるようですが、個人的には回復して家に帰ることができるのなら入院も致し方がないですが、そうでないのならば家でゆっくりと大好きな人たちに囲まれて、痛みなどの苦痛だけ取り除いて生活するのが一番じゃないかなと自分の反省も込めて思います。
もっとやってあげられたことがあったんじゃないかという気持ちと、あそこまでして苦痛を与えてしまったんじゃないかという気持ちは今でもあって、どちらが正解かは正直わかりません。
結局肝臓に転移してしまいましたが、獣医さんたちが精いっぱい治療してくださったことは今でも本当にありがたいと思っています。
輸血が必要だった時に、快く大事なワンちゃんの血を分けてくださった方や、人の優しさにも救われることが多かったです。
悲しい体験でしたが、勉強になることも多々ありました。人間の医療に通じることも多いので、もしペットが癌と診断されたらいろいろと調べて後悔しないよう納得のいく治療を受けられることをおすすめします。