エノシタビン(サンラビン)とは?効果・副作用は?



抗がん剤 治療 副作用

ピリミジン拮抗薬に分類されるエノシタビン(サンラビン)

エノシタビン(サンラビン)とは、日本国内で1974年に開発された抗がん剤で、代謝拮抗薬の中でもピリミジン拮抗薬に分類されます。
エノシタビン(サンラビン)は、旭化成ファーマ社から点滴薬として販売されており、サンラビンはその商品名となります。

エノシタビンの効果・効能は?

エノシタビンはシタラビンのプロドラッグ(体内で少しずつ有効成分に変換されて作用する薬)であり、腎臓、肝臓、白血病細胞に取り込まれた後に少しずつシタラビンに変換されていって作用します。
シタラビンには、投与後に分解酵素によって体内ですぐに分解されてしまうため、活性を失って排泄されてしまうという欠点がありました。

そのため、この欠点を改良した薬剤がエノシタビンであり、エノシタビンは体内で少しずつシタラビンへと変換されることから、より体内において長い時間作用することができる点がメリットとなります。
エノシタビンは特に脾臓や骨髄、肺、心臓や肝臓等において高濃度に分布することができます。

そのため、エノシタビンは急性白血病の治療に使用されており、また、慢性白血病が急性白血病に急性転化した場合においても、エノシタビンでの治療は保険適応が認められています。
ただし、エノシタビンでの治療効果は、過去に行われた臨床試験において、シタラビンよりも治療効果が低いことが確認されています。

そのため、エノシタビンでの治療での使用頻度は、近年では減少傾向となっています。

ただ、シタラビンは長時間の投与が必要となるので、急性白血病の外来治療としては、短時間での投与で済むエノシタビンが使用されるケースもあります。
エノシタビンの投与時の用量や投与期間等の明確な基準はないため、個々の症例のレジメンによってさまざまとなっています。

また、エノシタビンはアントラサイクリン系の抗がん剤である、ダウノルビシン等と併用して使用されるケースが多くなっています。

エノシタビン使用時の副作用はある??

エノシタビン使用時の副作用として、もっとも重要となっているものは骨髄抑制であるため、エノシタビンを使用している際は感染症や出血等の症状に、十分に注意する必要があります。
また、その他のエノシタビンの副作用としては、抗がん剤を使用した際の特有の副作用である嘔吐や吐き気、発熱、食欲不振や肝機能障害といった症状が発生する場合があります。

さらに、エノシタビンは添加物として、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含んでいます。
そのため、患者によっては稀にアレルギー症状が発生するという方もいますので、注意が必要です。

この症状が重い場合、最悪はショック症状となることもありますので、エノシタビンでの治療を行う前には必ずアレルギーの有無を確認するようにし、エノシタビンの投与中は経過観察を慎重に行うようにしましょう。

エノシタビンの使用上の注意点としては、点滴中に薬剤を血管外にもれないようにするという点があります。

点滴中に薬剤が血管外にもれた場合、投与から数日程度経過した後、点滴部位が腫れてしまったり、疼痛が発生したり、赤く変色したりする急性炎症症状が発生する場合があります。
そのため、エノシタビンの点滴中にはなるべく動かないようにし、安静な状態を保つようにしましょう。

また、エノシタビンの成分に対してアレルギー症状を発症した前歴のある方は使用ができませんので、発疹、じんましん、気管支喘息等を起こしやすい方は、治療の前に担当の医師に確認が必要となります。

さらに、エノシタビンには動物実験において催奇形性が報告されています。
そのため、妊娠中の方は使用を避けるようにし、子育て中の方は授乳は控えるようにしましょう。

【まとめ一覧】代謝拮抗剤

メトトレキサート(メソトレキセート)
>>急性および慢性白血病等に使用される代謝拮抗剤

メルカプトプリン(ロイケリン)
>>急急性リンパ性白血病の寛解後に使われる代謝拮抗剤

ペメトレキセド(アリムタ)
>>分子構造のよく似た葉酸の代謝を阻害することで細胞に損害を与える葉酸代謝拮抗剤

ペントスタチン(コホリン)
>>多くのリンパ系の腫瘍に効果がある代謝拮抗剤

フルダラビン(フルダラ)
>>多く血病やリンパ腫等の血液腫瘍の治療に用いられる代謝拮抗剤

フルオロウラシル(5-FU、カルゾナール、ベンナン、ルナコール、ルナボン)
>>多主に大腸がんの化学療法において中心的な役割を果たす抗がん剤

ヒドロキシカルバミド(ハイドレア)
>>白血病やメラノーマの治療に使用されてきた抗がん剤

ネララビン(アラノンジー)
>>再発または難治性のT細胞急性リンパ性白血病に使用されてきた抗がん剤

ドキシフルリジン(フルツロン)
>>日本では、胃がん、結腸・直腸がん、乳がんの治療薬として1987年に承認された抗がん剤

テガフール・ウラシル(ユーエフティ)
>>頭頸部がんや消化器系のがんに広く使用されている抗がん剤

テガフール(アチロン、アフトフール、テフシール、フトラフール、ルナシン)
>>代謝拮抗剤に分類されるフルオロウラシル系の抗がん剤

シタラビンオクホスファート(スタラシド)
>>骨髄性異形成症候群や急性骨髄性白血病に対する治療に適した抗がん剤

シタラビン(キロサイド)
>>代謝拮抗薬の中でもピリミジン拮抗薬に分類される抗がん剤

クラドリビン(ロイスタチン)
>>リンパ系腫瘍に治療効果のある抗がん剤

カルモフール(ミフロール)
>>大腸がん、胃がん、乳がんに対する有効性がある代謝拮抗薬

エノシタビン(サンラビン)
>>急性白血病の治療に使用される代謝拮抗薬

ゲムシタビン(ジェムザール)
>>がん細胞を自死(アポトーシス)に導く抗がん剤

テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム(TS-1)
>>胃がん、大腸がん(結腸・直腸がん)、頭頸部がん、非小細胞肺がん、乳がん、膵がん、胆道がんと幅広いがんに対して適応となっている薬剤




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